組織の一体感を最大化するためには、「理念を言語化して共有し、日々の行動と評価の仕組みまで落とし込むこと」が最も重要です。
特に30名以下の中小企業では、経営者の思いを全員で共有し、協力して目標達成を目指す仕組みづくりが成長スピードを大きく左右します。本記事では、私たちem株式会社がこれまでのコンサルティング経験と自社の実践から得た知見をもとに、組織の一体感を高めるための具体的な方法をお伝えします。
この記事のポイント
- 組織の一体感は「共通の理念」と「共有された目標」から生まれます。
- 理念は作るだけでなく、見える化と習慣化まで設計してこそ機能します。
- 30名以下の会社こそ、理念を軸にしたマネジメントで組織力を最大化できます。
この記事の結論
- 理念を共有し、一体感を高めるには「言語化・可視化・習慣化」の3ステップが不可欠です。
- 理念と日々の行動、評価、人事を一貫させることで、協力して目標達成を目指す文化が育ちます。
- 30名以下の中小企業は、経営者の思いを理念として整理することで、一体感と成長スピードを同時に高められます。
- 組織の一体感づくりは「イベント」ではなく、「仕組み」として設計して初めて持続します。
- 一言で言うと、「理念を軸に組織をデザインすること」が、一体感と業績を両立させる最短ルートです。
理念共有で組織の一体感を高めるには何から始めるべきか?
最も大事なのは「経営者の思いや経験を出発点に、会社の存在意義を言語化すること」です。
理念があいまいなまま採用・育成・評価を行うと、解釈のズレが積み重なり、一体感が生まれないどころか離職や停滞を招きやすくなります。実際に、弊社代表も理念やビジョンを持たずに事業を拡大した結果、社員の解釈の違いから組織が不安定となり、全員退職という苦い経験をしました。この経験があるからこそ、私たちは理念の重要性を心から理解し、クライアント企業様にもその大切さをお伝えしています。
理念がない組織で何が起きるのか?
理念がない組織では「判断基準のバラつき」と「方針の誤解」が起こり、一体感が生まれにくくなります。
例えば「お客様第一」と言葉だけ掲げても、「短期利益を優先する」「スピードを優先する」「品質を最優先する」など、社員ごとに解釈が分かれてしまいます。その結果、現場同士が対立したり、経営者の意図と現場の行動がずれたりし、組織としての成果も安定しません。
私たちがこれまでご支援してきた企業の中にも、理念が曖昧なまま事業を拡大し、組織の方向性がバラバラになってしまったケースが数多くありました。こうした状況を改善するためには、まず理念を明確にし、全員が同じ方向を向ける土台を作ることが不可欠です。
なぜ30名以下の会社ほど理念が重要なのか?
人数が少ない組織ほど、一人ひとりの行動が業績と文化に与えるインパクトが大きいからです。
30名以下の会社では、数名の価値観のズレがそのまま組織全体の雰囲気や業績に直結します。逆に、全員が同じ理念と方向性で動けると、小さな組織でも大きな成果とスピードを実現できます。
大企業であれば、多少の価値観のズレがあっても組織全体としては吸収できることがあります。しかし、中小企業ではそうはいきません。一人ひとりの存在感が大きいからこそ、共通の理念という「北極星」が必要なのです。私たちem株式会社も30名以下の組織として、この原則を日々実感しながら事業を運営しています。
経営者の原体験から理念をつくるべき理由
理念は「きれいな言葉」ではなく、「経営者の原体験と本気の思い」から生まれるからこそ現場に浸透します。
弊社では、代表自身が組織崩壊を経験したからこそ、「思いをカタチにする」というテーマにたどり着きました。こうしたストーリーがある理念は、社員にとっても腹落ちしやすく、「この会社は本気でこの方向を目指している」と感じてもらいやすくなります。
外部から借りてきたような美しい言葉では、社員の心に響きません。経営者自身が経験した困難や喜び、そこから得た学びを言葉にすることで、初めて「この会社ならではの理念」が生まれます。私たちがクライアント企業様の理念策定をご支援する際も、必ず経営者の原体験を丁寧にヒアリングすることから始めています。
理念を見える化し、一体感を育む仕組みはどのように作るのか?
理念の見える化と一体感づくりには「言語化 → 可視化 → 共有対話 → 行動への落とし込み」という段階的プロセスが有効です。
最も大事なのは、作った理念を「壁に貼って終わり」にせず、日々の会話や評価、会議の場面で自然に使われるレベルまで落とし込むことです。ここでは、実際に弊社が大切にしている10のValue(価値観)も例にしながら、具体的な仕組みづくりのイメージをお伝えします。
理念と言語化のステップ
「会社の存在意義(なぜこの会社があるのか)」と「大切にする価値観(どうありたいか)」を分けて整理することが重要です。
弊社では、「理念・目的・ビジョン」という3つをそれぞれ定義し、そこから10のValueを設定しています。このように階層構造を持たせることで、抽象的な理念が、現場で使える具体的な判断基準へとつながっていきます。
理念の言語化においては、以下の点を意識することをお勧めします。
- シンプルで覚えやすい言葉を選ぶ
- 業界用語や専門用語を避け、誰にでも理解できる表現にする
- 経営者の思いが伝わるストーリー性を持たせる
- 将来にわたって変わらない普遍的な価値を表現する
10のValueをどう一体感づくりに活かすか?
弊社の10のValueは、想像力・創造力・好奇心・向上心・探究心・共感力・誠実性・革新性・チームワーク・共創力という人の内面に関わるキーワードで構成されています。
これらは単なるスローガンではなく、「プロジェクトの振り返り」「1on1ミーティング」「評価面談」などで具体的な行動事例と紐づけて活用しています。例えば「共感力でつなげる」というValueに対して、「お客様の背景をどこまで理解しようとしたか」「メンバーの気持ちを言語化しようとしたか」といった行動レベルの問いを用意します。
このように、抽象的なValueを具体的な行動に落とし込むことで、社員一人ひとりが「今日、自分はどのValueを体現できたか」を振り返れるようになります。Valueが日常の判断基準として機能し始めると、組織全体の一体感は自然と高まっていきます。
理念・Valueの可視化の具体例
見える化は「いつでも目に入る形」と「すぐに話題にできる形」の両方が必要です。
具体的には、以下のような施策が有効です。
- オフィスの入口や会議室に理念ボードを設置する
- 全社員がいつでも見られるオンラインマニュアルに理念・Valueを掲載する
- 毎週の定例会で「今週、どのValueを体現できたか」を共有する時間をつくる
- 社内チャットツールに理念・Valueを固定表示する
- 名刺や社内資料のフッターに理念を記載する
こうした仕掛けがあることで、理念が単なるスローガンではなく、日常の会話の中で自然に使われるようになります。私たちの経験では、可視化の施策を複数組み合わせることで、理念の浸透スピードが格段に上がることを実感しています。
協力して目標達成を目指すための「目標と理念のつなぎ方」
組織の一体感を高めるには「数値目標」と「理念・Value」の両方をセットで伝えることが欠かせません。
例えば「売上○○円達成」というKPIだけを掲げるのではなく、「どのValueを大切にしながら達成するのか」を明確にします。これにより、単なる数字の追求ではなく、「この会社らしいやり方で成果を出す」という意識が浸透しやすくなります。
目標設定の際には、以下のような問いかけを行うことをお勧めします。
- この目標を達成する過程で、特に大切にしたいValueは何か?
- 目標達成のために、どのような行動を心がけるか?
- チームとして協力するために、何を意識するか?
こうした問いかけを通じて、数値目標と理念・Valueが自然につながり、社員一人ひとりが「なぜこの目標を達成するのか」「どのように達成するのか」を理解できるようになります。
一体感を生む「理念の習慣化」とは?毎日のマネジメントで何をすべきか?
理念の習慣化とは「日々の会話・評価・振り返りの中で理念とValueを使い続けること」です。
最も大事なのは、経営者やマネジャーが率先して理念に基づいた言葉と行動を取り、組織全体の行動規範として根づかせることです。ここでは、実際に30名以下の企業が取り入れやすいステップに分解してご紹介します。
理念を日常会話に織り込むコツ
「評価の場だけでなく、雑談や日常のフィードバックにも理念の言葉を使うこと」が効果的です。
例えば、「いまの提案は”探究心で掘り下げる”がよく出ていたね」「この対応は”誠実性を貫く”というValueそのものだね」と、具体的な行動とValueのキーワードをセットで伝えます。こうすることで、社員の頭の中で「理念・Value=現場の具体的行動」という紐づけが進みます。
日常会話で理念を使う際のポイントは以下の通りです。
- ポジティブなフィードバックの際に、該当するValueを添える
- 判断に迷った際に「この場合、どのValueを優先すべきか」を問いかける
- 成功事例を共有する際に、どのValueが発揮されたかを言語化する
- 困難な状況でも、理念に立ち返って方向性を確認する
理念を評価・フィードバックに組み込む方法
評価シートや面談項目に理念・Valueを反映させることが、習慣化の近道です。
弊社では、「成果(数字)」と「Valueの体現度」の両方を見る評価の枠組みを採用し、行動例を具体的に対話しています。例えば、「チームワークで協働する」に関しては、「他部署との連携」「情報共有」「フォローの姿勢」など、評価観点を事前に定義します。
評価制度に理念・Valueを組み込む際のステップは以下の通りです。
- 各Valueに対応する具体的な行動指標を定義する
- 評価シートにValue体現度の項目を追加する
- 評価面談でValue体現の具体例を対話する
- 優れたValue体現事例を全社で共有・表彰する
- 定期的に評価基準を見直し、現場の実態に合わせて更新する
理念浸透の実務プロセス
理念浸透は次のようなステップで進めるとスムーズです。
- 経営者自身の原体験や思いを書き出す
- 会社の存在意義・目的を一文で定義する
- 将来のありたい姿(ビジョン)を3〜5年スパンで描く
- その実現に不可欠な価値観(Value候補)を10〜20個洗い出す
- 経営陣・キーパーソンと対話しながらValueを絞り込み、名称と定義文をつくる
- デザインを含めた理念・Valueの可視化ツール(ボード、スライド、ハンドブック)を用意する
- キックオフミーティングで理念・Valueの背景ストーリーを共有する
- 日常業務の中でValueを使ったフィードバックを始める
- 評価・目標設定・1on1の項目に理念・Valueを組み込む
- 半年〜1年ごとに浸透度を振り返り、対話を通じてアップデートする
このプロセスを「プロジェクト」として計画的に進めることで、会社全体の一体感は着実に高まっていきます。
私たちem株式会社では、このプロセス全体を伴走型でご支援しています。特に重要なのは、ステップ7以降の「浸透フェーズ」です。理念を作って終わりではなく、日常業務の中で生きた言葉として使われるようになるまで、継続的な取り組みが必要です。
理念浸透を成功させるための追加のヒント
経営者自身が理念を体現する
理念浸透において最も重要なのは、経営者自身が理念を体現することです。社員は経営者の言葉よりも行動を見ています。経営者が理念に基づいた判断を行い、理念に沿った行動を取ることで、「この会社は本気で理念を大切にしている」というメッセージが伝わります。
逆に、経営者の行動が理念と矛盾していれば、どれだけ美しい言葉を掲げても社員の心には響きません。理念浸透の第一歩は、経営者自身の行動変容から始まります。
失敗を許容する文化をつくる
理念を実践しようとする中で、失敗は必ず起こります。重要なのは、失敗を責めるのではなく、「理念に基づいてチャレンジしたこと」を評価する文化をつくることです。
例えば、「共感力でつなげる」というValueを実践しようとして、お客様との対話に時間をかけすぎてしまった場合。結果として効率は下がったかもしれませんが、Valueを実践しようとした姿勢は評価に値します。こうした姿勢を認めることで、社員は安心してValueを実践できるようになります。
定期的な振り返りと対話の場を設ける
理念浸透は一度で完了するものではありません。定期的に振り返りの場を設け、「理念が日常業務でどのように活かされているか」「Valueの解釈にズレはないか」を確認することが重要です。
弊社では、四半期ごとに理念浸透の振り返りミーティングを実施しています。このミーティングでは、各Valueの具体的な実践事例を共有し、解釈のすり合わせを行います。こうした継続的な対話が、理念の「自分ごと化」を促進します。
よくある質問
Q1. 理念がないままでも組織運営はできますか?
できますが、長期的には「判断のバラつき」と「一体感の欠如」による成長の頭打ちが起こりやすくなります。特に組織が拡大するにつれて、理念がないことによる弊害は大きくなります。早い段階で理念を整備することをお勧めします。
Q2. 理念はどのくらいの社員数になったら必要ですか?
「社員が10名を超える前」からあった方がよく、30名以下の会社でも早期に整えるほど一体感づくりがスムーズです。組織が小さいうちに理念を浸透させておくことで、その後の成長がスムーズになります。
Q3. 理念は経営者だけで作るべきですか?
最初の骨格は経営者がつくるべきですが、その後の言葉の磨き込みや具体化には、幹部や現場メンバーを巻き込んだ方が浸透しやすくなります。特にValueの具体的な行動指標を定義する際は、現場の声を取り入れることが重要です。
Q4. 理念とビジョンとValueの違いは何ですか?
理念は「存在意義」、ビジョンは「ありたい未来の姿」、Valueは「日々の行動基準」であり、この3つが揃うことで組織の一体感が強まります。理念が「なぜ」、ビジョンが「どこへ」、Valueが「どのように」を示すと考えると分かりやすいでしょう。
Q5. 理念を浸透させる具体的な施策には何がありますか?
定例会での共有、評価項目への反映、社内表彰、1on1面談での対話など、日常業務に組み込む施策が効果的です。重要なのは、一つの施策だけでなく、複数の施策を組み合わせて継続的に取り組むことです。
Q6. 理念をつくるのにどれくらい時間がかかりますか?
ゼロから作る場合、ヒアリングや対話を含めて1〜3か月程度を目安とし、その後1年ほどかけて浸透施策を継続するケースが多いです。理念策定自体よりも、浸透させることに時間がかかることを念頭に置いておくことが重要です。
Q7. 外部のコンサルティングを入れるメリットは何ですか?
第三者視点で経営者の思いを整理し、言語化と可視化、習慣化まで一貫して伴走してもらえるため、社内だけで進めるよりもスピードと精度が高まりやすくなります。また、社内では言いにくいことも、外部のファシリテーターがいることで率直に対話できるというメリットもあります。
まとめ
組織の一体感を最大化するには、「理念の言語化・可視化・習慣化」を一貫したプロセスとして設計することが重要です。
理念とValueを日々の会話・評価・目標設定に組み込むことで、全員が同じ方向を向いて協力し、目標達成を目指す文化が育ちます。
特に30名以下の中小企業にとって、経営者の思いを「思いのまま」にせず、組織全体で共有できるカタチにすることが、一体感と成長を両立させる鍵となります。
私たちem株式会社は、「思いをカタチにする」をテーマに、中小企業の理念策定から浸透まで一貫してご支援しています。組織の一体感を高め、持続的な成長を実現したいとお考えの経営者の皆様は、ぜひお気軽にご相談ください。
理念を軸にした組織づくりは、一朝一夕には実現できません。しかし、正しいプロセスを踏んで継続的に取り組むことで、必ず成果は現れます。私たちは、その道のりを共に歩むパートナーとして、皆様の組織づくりをサポートいたします。
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em株式会社(イーエムカブシキガイシャ)
代表取締役 郷司 光
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