持続可能な企業文化を育む:理念が描く理想の姿とは

中小企業の経営者の皆様、こんな経験はありませんか。「創業当初は全員同じ方向を向いていたのに、人が増えるにつれて、組織がまとまらなくなった」「自分の指示が、社員によって異なる解釈をされている」「大事にしたい価値観が、いつの間にか形骸化している」

これは多くの企業が直面する課題です。そして、この問題の根本的な原因は、組織に共有された明確な「理念」がないからかもしれません。本記事では、em株式会社が自らの危機的経験から学んだ教訓をもとに、持続可能な企業文化がいかに形成され、維持されるのかについて、具体的にお伝えします。

理念なき組織が直面する深刻な現実

多くの経営者が見落としている「企業文化」の重要性

企業文化という言葉をご存知ですか。これは、組織に属する社員が共有する価値観や行動様式、考え方の総体を指します。簡単に言えば、「その会社らしさ」「その会社に流れている空気感」のようなものです。

起業当初は、経営者の熱い思いと現場の一体感があるため、明確な文化を掲げなくても、組織は動きます。しかし、事業が拡大し社員が増えるにつれて、この空気感だけでは組織を統制することが難しくなります。

「自分の頭の中では一貫した経営方針がある」と経営者が信じていても、それが言葉にされていなければ、社員には伝わりません。むしろ、各自が自分の解釈で動き始めます。Aさんは「会社の経営方針はこうなんだろう」と考え、Bさんはまったく異なる解釈をする。これが組織の脆弱性を生み出す最大の要因なのです。

em株式会社が経験した組織の危機

正直に申し上げます。em株式会社も、この課題に直面しました。

創業当初、私たちは具体的な理念もビジョンも事業計画も持たず、「なんでも屋」として事業をスタートしました。その後、事業の方向性を電気工事業へと変更し、会社を経営するようになりました。事業は拡大していきました。しかし、人数が増えるに従い、組織内に深刻な問題が生じ始めたのです。

人の管理が上手くいかない。教育の効果が出ない。同じことを何度指示しても、社員によって理解が異なる。経営方針が一貫していないように見える。この状態が続くと、組織は疲弊していきます。

その結果、最終的には社員全員が辞めてしまう事態に至りました。これは、単なる経営不振ではなく、「組織そのものの崩壊」です。当時、私たちは大きな絶望を感じました。

しかし同時に、この危機こそが、最大の学びをもたらしてくれたのです。

社員全員が辞めた後に見えてきたもの

問題の根本原因は何だったのか

組織が崩壊した理由を深く考察したとき、一つの結論に至りました。それは、「組織が共有すべき軸がなかった」ということです。

具体的には以下の3つが欠落していました。

1つ目は、明確な理念です。「私たちは何のために存在するのか」「社会にどのような価値を提供するのか」が言語化されていませんでした。経営者の頭の中にはあったとしても、それが社員に伝わっていなかったのです。

**2つ目は、共有される目的です。**理念がないから、組織全体で「同じ目標に向かう」という一体感が生まれません。各自が違う方向を向いて仕事をしていました。

3つ目は、行動の規範です。「どのような時に、どのような判断をすべきか」という基準が明示されていなかったため、社員は常に不安感を抱きながら仕事をしていました。

この3つが欠落していたために、組織は脆弱になり、外部環境の変化や内部の小さな摩擦にも対応できませんでした。

「理念づくり」という決断

絶望の中から立ち上がるために、私たちが最初に取り組んだのが「自社の理念づくり」です。これは、単なる経営改善ではなく、「組織の再生戦略」でした。

理念を作る過程で、私たちは徹底的に自分たちの価値観と向き合いました。「本当に大切にしたいことは何か」「社会にどう貢献したいのか」「なぜ事業をするのか」。これらの問いに答えることで、初めて言語化された「軸」が生まれたのです。

この軸ができたとき、組織内の「解釈の違い」という問題は劇的に改善されました。すべての判断基準が、この理念という軸に基づくようになったからです。

理念が創造する持続可能な企業文化の構造

理念の可視化がもたらす3つの変化

理念が明確に言語化され、全社員に共有されると、組織に3つの重要な変化が起きます。

**第1の変化は、経営の安定化です。**経営者の指示や判断が、すべて理念という軸から導き出されることになります。社員側も、その指示がなぜ出されたのか、どのような価値観に基づいているのかが理解できます。つまり、「納得できる経営」になるのです。納得できれば、社員はより主体的に行動するようになります。

**第2の変化は、企業の潜在能力の開花です。**社員全員が同じ理念に基づいて行動する組織は、個々の努力の総和では説明できないほどの力を発揮します。これを「組織力」と呼びます。電気工事業の現場でも、顧客サービスの部門でも、全員が同じ目的で動いているから、成果が倍増していくのです。

**第3の変化は、働く人のやりがいの向上です。**理念が浸透した組織では、社員は自分の仕事が単なる「お金を得るための作業」ではなく、「社会への貢献」「組織の目的達成への貢献」だと感じるようになります。このやりがい感が、人材の定着につながるのです。

習慣化への道のり

理念を掲げるだけでは、持続可能な企業文化は生まれません。その理念を「組織の行動習慣」として定着させることが重要です。

これには段階があります。

**第1段階は、理念の理解です。**社員全員が、その理念が何を意味し、自分たちの仕事とどのように関連しているのかを理解する必要があります。そのための研修やミーティングが必要です。

**第2段階は、実践です。**理念を日々の業務の中で実践していきます。初めは意識的な努力が必要ですが、繰り返すことで無意識的に行動するようになります。これが「習慣化」です。

**第3段階は、文化化です。**習慣が定着すると、それは「その組織の文化」になります。新入社員もその文化の中で育つため、理念が自然に次世代に継承されていくのです。

このプロセスは、おおむね半年から1年程度かかります。しかし、一度文化化すると、組織は驚くほど安定するのです。

30名以下の企業における文化創造のポイント

なぜ30名規模が転換点なのか

企業の成長段階において、30名という規模は一つの転換点です。

30名以下の組織では、経営者の直感や暗黙知(言葉にされていない知識や感覚)だけでも機能します。全員が経営者の近くにいるため、「空気」だけで組織は動きます。

しかし、30名を超えると状況が変わります。経営者がすべての社員と直接の関係を保つことが難しくなり、間接的な指示系統が生じます。この時点で、「暗黙知」は機能しなくなり、「明示的な理念」が必須になるのです。

つまり、30名以下の企業が今から理念を構築し、文化を習慣化させておくことは、その後の拡大期に組織が堅牢であるためのの前準備なのです。

経営者が取り組むべき5つのステップ

理念に基づく企業文化を創造するために、経営者が実際に行うべきアクションをお伝えします。

ステップ1:自社の存在意義を言語化する

「なぜこの事業をするのか」「社会にどのような価値を提供しているのか」を徹底的に考え、言葉にします。これが理念の原形になります。

ステップ2:価値観を明確にする

「仕事をする上で、どのようなことを大切にするか」「どのような人材を育てたいか」という企業の価値観を定義します。

ステップ3:ビジョン(将来像)を描く

「5年後、10年後に、この組織がどのようになっていたいのか」を描きます。これが社員のモチベーションを生み出すのです。

ステップ4:全社員と共有する

理念を紙に書いて貼るだけでは不十分です。経営者が直接説明し、社員の質問に答え、社員の理解を深める必要があります。

ステップ5:習慣化の仕組みを作る

朝礼で理念を読む、月1回のミーティングで理念に基づいた判断例を共有するなど、理念を日常的に扱う仕組みを組織に組み込みます。

理念の習慣化をサポートする共創のアプローチ

経営者だけでは完結しない理由

「理念づくりは経営者一人でできるのではないか」と考える方もいるかもしれません。確かに、理念の素案は経営者が作ることができます。

しかし、それが真に「組織の理念」になるためには、現場の社員の声を反映させる必要があります。なぜなら、理念は「上から押し付けられたルール」ではなく、「組織全体で共有される信念」であるべきだからです。

さらに、理念を「習慣化」させるまでの道のりでは、組織内の抵抗や困難が生じます。その時に、外部の専門家が伴走者として存在することの価値は大きいのです。

em株式会社が提供する支援内容

em株式会社では、30名以下の企業を対象に、以下の支援を行っています。

理念構築支援では、経営者との対話を通じて、その企業の本質的な存在意義を引き出します。その過程で、経営者自身が改めて事業の意味を認識することになります。

文化設計支援では、理念を実現するための具体的なアクション、組織の仕組み、人事評価制度などを一緒に設計します。

習慣化支援では、理念が実際に組織内で実践され、定着するまで、定期的なミーティングやフォローアップを行います。

これらの支援では、常に「共創」の姿勢を大切にしています。つまり、em株式会社が一方的に答えを提供するのではなく、経営者や社員と一緒に理想の文化を作っていくのです。

理念構築を通じた日本経済への貢献

中小企業の持続可能性が日本の鍵

日本経済の大多数を占めるのは中小企業です。これらの企業が持続的に成長し、革新を続けることなしに、日本経済全体の活性化はあり得ません。

しかし現実には、多くの中小企業が理念の曖昧さから組織の脆弱性に悩んでいます。人材不足、若手離職、経営の不安定化。これらの問題は、すべて根本的には「組織文化の未成熟」に起因しているのです。

もし、各企業が自らの理念を明確にし、それに基づいた文化を育むことができれば、どうなるでしょうか。組織は安定し、人材は定着し、社員のやりがいは高まり、企業は革新の力を持つようになります。

このような企業が日本に増えることが、日本経済全体の活性化につながるのです。

私たちのミッション

em株式会社は、理念構築の支援を通じて、一つ一つの企業を強くしていきたいと考えています。

「思いはあるけれど、形にするのが難しい」と感じている経営者の皆様。「組織の中で、バラバラな判断が起きている」と悩んでいる経営者の皆様。

私たちと一緒に、理念を言語化し、それを組織全体の行動習慣として定着させていきませんか。

持続可能な企業文化の育成は、単なる経営改善ではなく、企業の潜在的な価値を最大限に引き出し、社会に貢献するための最も確実な道なのです。



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em株式会社(イーエムカブシキガイシャ)
代表取締役 郷司 光

経営理念:そうぞうの力で未来を描く
Purpose:中小企業の魅力を引き出し国力を上げる
Vision:革新的な日本型経営モデルの確立
Mission:思いを形にし理想の企業文化を創造

所在地:〒486-0817 愛知県春日井市東野町3丁目29番地7

Webサイト:https://em.80462.co.jp
お問い合わせ:https://em-company.jp

事業内容:

DX化・WEB集客サポート
企業理念浸透支援
理念策定フレームワーク作成支援
理念経営実行ツール作成・導入支援

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