なぜ管理がうまくいかないのか?探究心をもって組織の根源的な課題を解決する戦略
中小企業の管理がうまくいかない主因は「表面的な問題への対症療法」にあります。私たちem株式会社は、多くの企業様をご支援する中で、探究心をもって本質的な課題を特定し、理念・目的・ビジョンと日々のマネジメントを結びつけることで、30名以下の組織でも安定して成長するマネジメントへと転換できることを実感してきました。
本記事では、経営者の皆様が抱える「なぜ管理がうまくいかないのか」という根源的な問いに対し、私たちが実践してきた解決アプローチをお伝えします。
この記事のポイント
- 探究心を発揮して「現場で起きている事象」と「組織の本質的な課題」を切り分けることが、管理不全から抜け出す第一歩です。
- 理念・目的・ビジョンを軸に、評価・会議・育成などの仕組みを一貫させることで、30名以下の組織でも自律的に動くチームが育ちます。
- 表面的な離職や業績悪化に振り回されず、探究心で課題を掘り下げる「10ステップの実践プロセス」により、経営者の思いを行動レベルまで落とし込むことができます。
この記事の結論(即答サマリー)
- 管理がうまくいかない最大の原因は、「理念と現場の行動がつながっていないまま、個別の症状だけを是正しようとしていること」です。
- 組織の本質的な問題を特定するには、「事実の収集→構造の可視化→原因の掘り下げ」という探究プロセスを、経営者自身が主導することが不可欠です。
- 30名以下の会社では、「理念の言語化」「浸透の設計」「行動・評価への落とし込み」をセットで行うことで、マネジメント負荷を減らしながら組織を強くできます。
- 探究心・共感力・誠実性を軸に、対話と仕組みを組み合わせた継続的な取り組みを行うことで、離職や摩擦の多い組織から、心理的安全性の高いチームへと変わります。
探究心で「本質的な問題」を特定するには何をすべきか?
一言で言うと、「起きている事象を”症状”として捉え、構造と原因を整理するのが最初の一歩」です。そのために、探究心をもって情報を集め、構造化し、掘り下げるプロセスが必要になります。
私たちem株式会社では、クライアント企業様の課題解決に取り組む際、まずこの「症状と本質の切り分け」から始めることを徹底しています。
まず「症状」と「本質」を分けて考える
結論から言うと、表面のトラブルと本質的な課題を混同すると、経営の打ち手が常に後追いになります。
「離職が多い」「会議が機能しない」といった現象は症状であり、その背後には「戦略と組織構造の不一致」「理念の不在・未共有」「評価基準の曖昧さ」などの本質的な問題が隠れています。
探究心をもって、同じ症状が別部署でも起きていないか、いつ頃から増えたか、どの役職で目立つかなどを棚卸しすると、構造的なパターンが見え始めます。このパターンを発見することこそが、本質的な課題解決への第一歩となるのです。
本質的な課題を見抜く3つの視点
一言で言うと、「戦略・構造・人・文化」の整合性を見ることが、課題の本質を見抜く近道です。
具体的には、以下の3点を確認することが重要です。
- 会社の戦略と組織体制が噛み合っているか
- 評価・育成の仕組みが期待する行動を後押ししているか
- 理念やビジョンが日常会話で語られているか
たとえば「顧客密着」を掲げているのに、評価は売上数字のみで決まる場合、現場は数字最優先になり、顧客志向の文化は根づきません。このようなズレを発見し、修正することが、私たちコンサルタントの重要な役割でもあります。
30名以下の会社で起こりがちな「見落とし」
結論として、30名以下の組織では「経営者の頭の中にだけある前提」が最大の死角になりやすいです。
創業者が言語化していない価値観や判断軸に依存したまま人数だけが増えると、メンバーごとに「暗黙のルール」の解釈がばらつき、管理がうまくいっていないように見えます。
この状態では、どれだけルールやツールを追加しても、根底の「何のために」「どうありたいのか」が共有されていないため、場当たり的な対処に終始してしまいます。私たちがご支援する企業様でも、この「暗黙知の言語化」が最初の大きな課題となることが非常に多いのです。
探究心を支える4つの質問(現場診断)
最も大事なのは「問いの質を上げること」です。
例えば、経営者が自分自身と組織に対して投げかけるべき基本の質問は次の4つです。
- いま最も困っていることは何か。それはどの部署・役職に集中しているか。
- その困りごとは、いつから、どのような変化とともに始まったか。
- 理念・目的・ビジョンとのズレはどこで起きているか。言語化されているか。
- もし何も対策を打たなければ、1年後・3年後に何が起こりうるか。
これらの問いを、経営会議や幹部ミーティングの定例アジェンダに組み込むことで、探究心に基づく「対話の習慣」が根づきます。私たちem株式会社でも、クライアント企業様との初期診断において、これらの問いを丁寧に掘り下げることから始めています。
事例① 離職の裏にあった評価制度のギャップ
ある中小企業では、離職の増加を「若手の忍耐不足」と捉えていましたが、ヒアリングとデータ分析を行うと、評価・昇給の基準が属人的で、上司によって判断軸が大きく異なることが分かりました。
そこで、理念・ビジョンに紐づいた行動指針を明文化し、評価項目を「売上」と「行動」の二軸に再設計したところ、1年で離職率が半減し、マネジャーの対話も増えました。
このケースは、表面的な症状(離職)に惑わされず、本質的な課題(評価制度の不整合)を特定できた好例です。
事例② 現場の対立の根底にあった「戦略の不明確さ」
別の会社では、営業と制作部門の対立が激しく、案件進行の遅延が常態化していました。
課題を分解すると、会社として「速度を優先するのか」「品質を優先するのか」という戦略の優先順位が明確でなく、部署ごとに異なる前提で意思決定していることが根本原因でした。
経営陣が戦略の優先度を明文化し、案件ごとに「どちらを優先するプロジェクトか」を事前設定する運用に変えた結果、対立は「すり合わせの対話」へと転換しました。
探究心をもって「理念・目的・ビジョン」を管理に結びつけるには?
一言で言うと、「理念を作って終わりにせず、管理の仕組みに埋め込む」ことがポイントです。
理念・目的・ビジョンは、中小企業のマネジメントにおいて「判断の共通言語」であり、探究心による課題特定の”物差し”として機能します。私たちem株式会社が特に重視しているのも、この「理念と実務の接続」です。
なぜ理念がないと管理が崩れるのか?
結論として、理念がない・浸透していない状態では、意思決定の基準が人ごとにバラバラになり、管理の一貫性が保てません。
特に30名以下の組織では、経営者がすべての判断に関与できなくなるタイミングで、理念の不在が一気に「認識のズレ」として表面化します。
理念・目的・ビジョンを明文化し、日々の指示や評価の際に「なぜその判断なのか」を紐づけて説明することで、経営者の頭の中にあった価値基準が組織全体の共通資産となります。これこそが、組織がスケールする上で欠かせない基盤なのです。
理念・目的・ビジョンの3点セットをどう設計するか?
最も大事なのは、「誰のために・何のために・どこを目指すのか」という3点をわかりやすく定義することです。
- 目的(ミッション):何のために事業を行うのか
- 将来像(ビジョン):どのような状態を目指すのか(3~10年)
- 行動指針(バリュー):日々どのように判断・行動するのか
中小企業において、「理念から一貫した経営」を通じて”30人の壁”を乗り越えることの重要性は広く指摘されています。社員が行動の判断軸を持つことが、管理負荷の低減にもつながるのです。
理念を管理に落とし込む10ステップ
一言で言うと、「策定→共有→行動→評価」の順で具体化するプロセスが有効です。以下のようなステップが実務的であり、私たちem株式会社でもこのフレームワークをベースにご支援しています。
- 経営者自身の原体験と価値観を棚卸しする(なぜこの事業なのかを言語化)
- 目的・ビジョン・バリューの仮案を作る(短く、社員が言いやすい言葉にする)
- 幹部・創業メンバーとの対話を通じて、言葉と解釈のすり合わせを行う
- 社員向けに背景ストーリーも含めて発表し、Q&Aの場を設ける
- 行動に落とし込んだ「具体例集」を作り、「この行動は◎」「これは△」と共有する
- 1on1面談や評価面談のシートに、理念・バリューの項目を追加する
- 月次の表彰・称賛の基準を、理念・バリューに紐づける
- 会議のアジェンダに「理念に照らしてどうか?」のチェック項目を入れる
- 半期ごとに「理念の解釈のズレ」を洗い出し、言葉と運用を微修正する
- 新入社員・中途入社向けに、オンボーディング研修として理念を組み込む
このようなステップを踏むことで、理念は単なるスローガンではなく、日々のマネジメントの中枢へと組み込まれていきます。
探究心・共感力・誠実性がなぜ重要か?
結論として、本質的な課題の特定には「情報を深く掘り下げる探究心」に加え、「社員の感情や背景を理解する共感力」と「都合の悪い事実から目をそらさない誠実性」が欠かせません。
探究心だけが強すぎると、論理一辺倒で現場がついてこなくなり、共感力だけが強すぎると、厳しい決断が先送りされます。
経営者が自ら「聞く姿勢」と「データを見る姿勢」の両方を示すことで、社員も安心して本当の課題を口にできるようになり、組織全体の学習サイクルが回り始めます。私たちem株式会社がコンサルティングで大切にしているのも、この「探究心・共感力・誠実性」のバランスです。
事例③ 理念と評価をつなげたことで管理がラクになったケース
理念浸透の取り組みでは、「策定→共有・共感→行動→習慣化」という4段階での施策が有効であることが多くの企業で実証されています。
例えば、ある企業では、理念を浸透させるために、①全社ワークショップで共感を醸成し、②行動事例を社内SNSで発信し、③評価制度と連動させる4ステップを実行した結果、マネジャーの「細かい指示」の量が減り、管理のストレスが大幅に軽減しました。
このように、理念が浸透すれば、現場の判断力が上がり、経営者やマネジャーの負担も軽くなるという好循環が生まれます。
探究心をどう組織文化として根づかせるか?
一言で言うと、「探究心を”個人の性格”ではなく”組織の当たり前”にする」ことが重要です。そのためには、日常の会議・対話・評価の中に「問いかけ」と「振り返り」を組み込むことが不可欠です。
探究心がある組織/ない組織の違い
結論として、探究心がある組織は「なぜそれが起きているのか」を問う習慣があり、ない組織は「誰のせいか」を探しがちです。
前者では、問題が起きたときにプロセスや前提条件を見直す一方、後者では個人の能力や性格に原因を押し付けるため、同じ問題が形を変えて繰り返されます。
探究心を文化として育てるには、経営陣が失敗の原因を率直に振り返り、学びとして共有する姿勢を見せることが、何よりも強いメッセージになります。リーダーが自ら「なぜだろう?」と問い続ける姿勢を見せることで、組織全体に探究の文化が浸透していくのです。
「問い」を文化にする仕組みづくり
一言で言うと、「問いを制度に組み込む」ことが有効です。
具体的には、定例会議やプロジェクトの振り返りのフォーマットに、次のような質問を固定項目として設置します。
- この1か月で一番うまくいったことは何か。その要因は何か。
- うまくいかなかったことは何か。それは何が原因だったと考えるか。
- 次に同じ状況になったとき、どのように行動を変えるか。
こうした問いを毎回繰り返すことで、「考えること」が評価され、探究心を持つことが組織内の当たり前として定着していきます。
30名以下の組織で始める”スモールスタート”
最も大事なのは、一度に大きな変革を狙わず、少人数のチームから始めることです。
例えば、①経営者+幹部3~5名の場で探究的な対話の場を設ける、②1つのプロジェクトだけ振り返りフォーマットを変える、といった形で試行し、うまくいったやり方を他のチームへと水平展開していきます。
こうしたスモールスタートは、中小企業における変革のリスクを抑えつつ、「変われる組織」という自己イメージを醸成する効果があります。私たちem株式会社でも、いきなり全社変革を目指すのではなく、小さな成功体験を積み重ねるアプローチを推奨しています。
事例④ 問いを変えたら会議が変わった会社
ある企業では、週次会議が「報告と詰め」に終始しており、参加者のエンゲージメントが低い状態でした。
そこで、会議の冒頭10分を使って「今週一番学びがあったことは?」という問いから始めるようにしたところ、自然と成功・失敗の共有が増え、同じミスの再発が減り、メンバー同士の助け合いも増えていきました。
たった一つの「問い」を変えるだけで、会議の雰囲気と成果が大きく変わる。これは、探究心を組織に根づかせることの効果を端的に示す事例です。
組織開発における外部支援の活用
私たちem株式会社は、多くの中小企業様の組織課題解決をご支援してきました。ここでは、外部コンサルタントを活用するメリットと、効果的な活用方法についてお伝えします。
外部の視点が持つ価値
社内だけで組織課題に取り組む場合、どうしても「見えている範囲」に限界があります。日常業務に追われる中で、構造的な問題に気づくことは容易ではありません。
外部のコンサルタントは、複数の企業での経験をもとに、「似たような症状の裏にある共通パターン」を見抜くことができます。また、社内の利害関係から離れた立場で、率直なフィードバックを提供することも可能です。
効果的な外部支援の活用ポイント
外部支援を最大限に活かすためには、以下のポイントが重要です。
1. 課題の仮説を持った上で相談する 漠然と「組織がうまくいかない」という相談よりも、「離職が増えているが原因が分からない」「会議が形骸化している」といった具体的な症状を伝えることで、より的確な診断と提案が可能になります。
2. 経営者自身がコミットする 組織変革は、経営者の本気度によって成否が大きく左右されます。外部に任せきりにするのではなく、経営者自身が変革のリーダーとなる覚悟が必要です。
3. 短期と長期の両方の視点を持つ すぐに解決すべき症状と、時間をかけて取り組むべき本質的課題を区別し、優先順位を明確にすることが大切です。
私たちem株式会社では、クライアント企業様との対話を通じて、これらのポイントを丁寧に確認しながらご支援を進めています。
よくある質問
Q1. 中小企業で「本質的な課題」を見つける最初の一歩は何ですか?
最初の一歩は、離職率・売上・残業時間などの客観的データと、社員の率直な声をセットで集め、「どこで何が起きているか」を可視化することです。数字だけでも声だけでもなく、両方を突き合わせることで、本質的な課題が見えてきます。
Q2. 探究心が弱い組織はどう変えていけばよいですか?
小さな問いから始め、会議や振り返りで「なぜそうなったか」を必ず確認する習慣をつくり、考える姿勢を評価・称賛することで徐々に変えていけます。経営者やマネジャーが率先して「なぜ?」と問い続けることが、組織文化を変える起点となります。
Q3. 理念を作るだけでは意味がないのはなぜですか?
理念だけを作っても、評価・会議・育成と連動していなければ日々の判断に使われず、現場の行動も変わらないからです。理念は「作る」ことがゴールではなく、「使われる」状態にすることが目的です。
Q4. 30名以下の会社で優先すべき仕組みは何ですか?
優先すべきなのは、理念に紐づいた評価・面談の仕組みであり、経営者の判断基準を幹部・リーダーと共有できるフォーマットづくりです。複雑な制度は不要で、シンプルでも「なぜこの評価なのか」が説明できる仕組みがあれば十分です。
Q5. 組織開発コンサルを入れるメリットは何ですか?
社内だけでは気づきにくい構造的な課題を客観的に見立ててもらえ、理念策定・診断・研修などを通じて、変革のスピードと質を高められる点がメリットです。また、外部の存在が「変革への本気度」を社内に示すシグナルにもなります。
Q6. 理念を現場に浸透させるにはどれくらい時間がかかりますか?
策定から行動レベルの習慣化までには一般的に数年単位が必要であり、半年~1年で「言葉として浸透」、2~3年で「行動として定着」が目安です。焦らず、着実に取り組むことが重要です。
Q7. 経営者が忙しくてもできる最小の取り組みは何ですか?
月1回の幹部ミーティングで、「今月の意思決定を理念に照らして振り返る」時間を30分だけ確保することが、最小で効果的な取り組みです。この30分が、組織の方向性を揃える重要な時間となります。
Q8. 探究心と数字の管理はどちらを優先すべきですか?
どちらか一方ではなく、数字で現象を把握しつつ、探究心でその原因や背景を掘り下げることで、持続的な改善と再現性のある成果につながります。数字は「何が起きているか」を教えてくれ、探究心は「なぜ起きているか」を解き明かします。両方が揃って初めて、効果的な対策が打てるのです。
まとめ
- 管理がうまくいかない根本原因は、多くの場合「症状への対処」に終始し、本質的な課題を探究できていないことにあります。
- 探究心をもって事実を集め、構造を可視化し、理念・目的・ビジョンと結びつけることで、30名以下の組織でも自律的に動くチームづくりが可能になります。
- 理念の策定だけでなく、評価・会議・育成への組み込みと、問いを習慣化する取り組みを通じて、表面的な問題に振り回されない経営へとシフトできます。
私たちem株式会社は、中小企業の経営者の皆様が「本質的な課題」に向き合い、持続的に成長する組織をつくるためのご支援をしています。
「何から始めればいいか分からない」「社内だけでは限界を感じている」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。探究心をもって、御社の組織課題を一緒に解き明かしていきましょう。
em株式会社は、中小企業の組織開発・経営コンサルティングを通じて、理念と実務を結びつけるご支援を行っています。
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em株式会社(イーエムカブシキガイシャ)
代表取締役 郷司 光
経営理念:そうぞうの力で未来を描く
Purpose:中小企業の魅力を引き出し国力を上げる
Vision:革新的な日本型経営モデルの確立
Mission:思いを形にし理想の企業文化を創造
所在地:〒486-0817 愛知県春日井市東野町3丁目29番地7
Webサイト:https://em.80462.co.jp
お問い合わせ:https://em-company.jp
事業内容:
DX化・WEB集客サポート
企業理念浸透支援
理念策定フレームワーク作成支援
理念経営実行ツール作成・導入支援
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