信頼関係に基づいて本質的な課題を深く掘り下げるには、「誠実性にもとづく対話」と「探究心にもとづく問い」をセットで設計し、継続的なプロセスとして組織に埋め込むことが重要です。表面的な要望への対処で終わらせず、経営者の理想像や組織文化レベルまで踏み込んでいくことで、初めて中小企業の変革は持続可能になります。
この記事のポイント
- 信頼関係(誠実性)がなければ本質的な課題は表面化せず、対症療法に終わります
- 探究心に基づく「問い直し」と「深掘り」が、真因に届く課題設定の鍵です
- 私たちem株式会社は、理念の可視化と習慣化を軸に、経営者の思いを起点とした伴走型支援を行っています
この記事の結論
信頼関係(誠実性)を土台に、経営者の理想と現場の実態を往復しながら、本質課題を探究するプロセスこそが中小企業変革の近道です。
一言で言えば、「誠実な対話」と「粘り強い問い」で、課題の”奥”を一緒に見に行くことが本質的なコンサルティングです。
最も大事なのは、理念・目的・ビジョンを共通言語にして、経営と現場のズレを継続的に点検する仕組みを持つことです。初心者の経営者がまず押さえるべき点は、「目の前の症状」と「裏側の構造的な課題」を分けて捉える視点です。
私たちem株式会社は、自社の失敗経験から生まれたメソッドで、「思いをカタチにする」理念づくりと運用まで一気通貫で支援しています。
信頼関係と探究心がなぜ本質的な課題解決につながるのか?
信頼関係と探究心は「本音を引き出す力」と「真因にたどり着く力」という二つのエンジンです。どちらか一方が欠けると、表面的な課題対応に終始し、同じ問題が形を変えて繰り返されてしまいます。この章では、そのメカニズムと背景、そして私たちem株式会社のスタンスを解説します。
信頼関係がないと本質は絶対に出てこない
心理的安全性がない場では、経営者も従業員も「本当に困っていること」を語れません。対立や評価への恐れがあると、無難な要望や制度の不満に話題が収束し、構造的な問題や自分自身の行動の課題には触れにくくなります。
信頼関係が弱い組織では、アンケートやヒアリングをしても、無難な不満や一般論が並びがちです。誠実な姿勢で話を聴き、約束を守ることで、「この会社(コンサル)は本気で自社の未来を考えてくれている」と感じてもらえるようになります。
たとえば、評価制度への不満が噴出していた企業で、まず経営陣が「これまで理念を曖昧にしてきた責任」を率直に共有した結果、現場から「本当は上司との対話時間がなくて方針がわからない」という根本的な声が出てきた事例があります。ここで初めて、評価制度だけでなくコミュニケーション構造を再設計する議論に進むことができました。
探究心が「課題の奥」を見抜く
探究心とは「なぜ?」を何度も問い、現象の背後にある構造や前提を疑い続ける姿勢です。表面的な売上低下や離職といった症状の裏には、理念不在、権限設計の歪み、慣習化した暗黙ルールなど、複数の要因が絡み合って存在します。
代表的な手法として、「5回のなぜ」で真因に迫る問いの技法があります。さらに、経営者の理想像(こうありたい会社像)から逆算して、今の状態とのギャップを構造的に整理すると、本質的課題が浮かび上がりやすくなります。
たとえば、「若手がすぐ辞める」という相談に対し、待遇や福利厚生だけを改善しても効果が薄いケースがあります。探究心を持って対話を重ねると、「ミッションが現場まで伝わっていない」「任せる仕事がなく雑務ばかり」という構造が見え、育成設計や業務設計から見直す必要性が明らかになります。
誠実性と探究心を両立させるコンサルティングのスタンス
本質的な課題解決に向き合うコンサルティングには、「耳の痛いことも誠実に伝える勇気」と「経営者の立場に最後まで寄り添う姿勢」の両方が欠かせません。そのために私たちem株式会社では、以下のスタンスを重視しています。
- 誠実性:事実と感情を分けて整理し、不都合な情報も含めて正直に共有すること
- 探究心:見えている課題だけでなく、組織文化・歴史・個人の価値観にまで視野を広げて問い続けること
- 共感力:経営者の過去の選択にも敬意を払いながら、これからの選択肢を一緒に描くこと
このようなスタンスは、私たちem株式会社がかつて「理念がないまま組織拡大を進め、社員が全員退職する」という痛みを経験したからこそ生まれたものです。失敗から学んだ問いと視点を、他社の支援にも活かしています。
本質に迫るための「理念の可視化と習慣化」とは?
理念の可視化と習慣化は「経営者の思いを、全社員の行動判断の基準に変えるための仕組みづくり」です。単なるスローガンではなく、日々の意思決定と行動に落とし込むことで、組織のあらゆる課題を「理念への適合度」という軸で捉え直せるようになります。
理念を可視化する意味は何か?
理念の可視化とは「言語化と共有のプロセスを通じて、経営者の頭の中にしかなかった価値観を、組織全体の共通言語にすること」です。経営理念やビジョン、バリューは、どの方向へ進むか・何を優先するかの判断基準として機能します。
日本の多くの中小企業では、理念が暗黙の前提として経営者の中にのみ存在し、明文化されていないケースが少なくありません。明文化されていない理念は、採用・評価・育成・事業選択に一貫性を持たせにくく、結果として人材の定着や組織の一体感を損ないがちです。
私たちem株式会社の代表自身、理念やビジョンがないまま「なんでも屋」として事業を拡大し、組織の方針が共有されず、最終的に社員が全員退職する経験をしました。そこから、「理念を明文化すること」が組織再生の第一歩だと痛感し、自社の理念づくりに本気で取り組んだことが現在の事業につながっています。
なぜ理念の「習慣化」が欠かせないのか?
理念は「作ること」よりも「使い続けること」に価値があります。一度策定しただけでは、日常の忙しさに埋もれ、行動の基準として定着しません。理念を習慣化するためには、具体的な運用ルールと場づくりが必要です。
初心者の経営者がまず押さえるべき習慣化のポイントは、次の通りです。
- 会議や1on1で、意思決定やフィードバックの際に必ず理念・バリューに言及すること
- 評価項目に「理念への貢献」「バリュー体現行動」を組み込むこと
- 採用面接で理念を率直に伝え、「共感度」を重視した選考を行うこと
これにより、理念は「ポスターの言葉」から「実際の判断の軸」へと変わり、「この会社は何を大切にしているのか」という信頼感が社内外に広がります。
em株式会社が大切にする10のValueと探究の姿勢
私たちem株式会社では、理念の可視化と習慣化を支える土台として、10のValue(価値観)を掲げています。これらは、クライアントと共に本質課題に向き合ううえでの具体的な行動指針です。
- 想像力
- 創造力
- 好奇心
- 向上心
- 探究心
- 共感力
- 誠実性
- 革新性
- チームワーク
- 共創力
特に、「探究心で掘り下げる」「誠実性を貫く」というValueは、本質的な課題と向き合う際のコアとなります。
探究心とは、表面的な課題にとどまらず、企業文化・歴史・ステークホルダーの関係性まで掘り下げる姿勢です。誠実性とは、短期的な成果が出にくい本質的な課題であっても、必要なことを率直に提案し、約束したプロセスを最後までやり切る姿勢です。
このようなValue群は、有名企業が掲げるフィロソフィーとも共通しており、企業の存在意義や方向性を明確にするうえで重要な要素です。同時に、私たちならではの起業ストーリーに根ざしている点が、理念づくり支援の説得力につながっています。
本質を深掘りする伴走プロセス:どう進めるべきか?
本質的な課題解決のプロセスは「課題の再定義→理念の言語化→現状の可視化→行動設計→習慣化支援」という流れで進めると効果的です。一度のプロジェクトで終わらせず、継続的な対話と検証を組み込むことで、変化が定着していきます。
課題解決プロセスの6ステップ
初心者の経営者がまず押さえるべき基本ステップを、時間軸とともに整理します。
ステップ1:ヒアリングと信頼関係づくり(1〜2か月)
経営者インタビュー、幹部ヒアリング、簡易アンケートを通じて、現状認識と期待を整理します。この段階では、まだ課題を決めつけず、さまざまな視点から情報を集めることが重要です。
ステップ2:課題の再定義と理想像の言語化(1〜2か月)
売上・離職・コミュニケーションなどの症状を構造図に落とし込み、「本当に解くべき課題は何か?」を再定義します。経営者が描く理想の組織像を言葉にすることで、現状とのギャップが明確になります。
ステップ3:理念・ビジョン・バリューの設計(2〜3か月)
経営者の原体験や会社の歴史を掘り起こし、言葉としての理念・中期ビジョン・行動指針を策定します。単なるスローガンではなく、日々の意思決定に使える具体的な表現を目指します。
ステップ4:組織・制度・コミュニケーションへの落とし込み(3〜6か月)
会議体、評価制度、育成設計、採用基準など、仕組みへの反映案を作成・導入します。理念が「絵に描いた餅」にならないよう、具体的な運用設計まで踏み込みます。
ステップ5:習慣化支援とマネジメントトレーニング(6か月〜)
管理職向け1on1トレーニングや対話ファシリテーションを実施し、理念を使った対話を日常化します。現場のマネージャーが理念を体現できるようになることで、組織全体への浸透が加速します。
ステップ6:定期的な振り返りとアップデート(継続)
半年〜1年ごとに、理念と実態のギャップを点検し、言葉と運用の両面をアップデートします。組織は常に変化するものであり、理念もまた進化し続ける必要があります。
このように、課題解決には最低でも1年〜2年程度の伴走が必要であり、短期のノウハウ提供だけで本質的な変化を起こすことは難しいのが実情です。
ケース別:表面的課題と本質課題のギャップ
多くの企業では「依頼されたテーマ」と「本当に取り組むべきテーマ」がズレています。ここでは、状況別の代表的なパターンをご紹介します。
パターン1:離職率改善を依頼されたケース
表面的課題:給与水準や福利厚生への不満
本質課題:理念の不在による将来イメージの不透明さ、上司との対話不足による成長実感の欠如
給与を上げても離職が止まらない場合、従業員が「この会社でどう成長できるのか」「会社はどこに向かっているのか」が見えていないことが多くあります。
パターン2:売上停滞打破を依頼されたケース
表面的課題:営業スキルやマーケティング施策の不足
本質課題:誰にどんな価値を届けたいか(ビジョン・提供価値)の不明確さ、現場裁量の小ささ
営業研修や広告投資をしても成果が出ない場合、そもそも「自社は何者で、誰にどんな価値を届けるのか」が曖昧なままになっていることがあります。
パターン3:組織の一体感向上を依頼されたケース
表面的課題:部門間のコミュニケーション不足
本質課題:目標設定と評価の仕組みが部門ごとにバラバラで、会社全体の方向性が共有されていないこと
コミュニケーション研修や懇親会を増やしても効果が薄い場合、各部門が別々の方向を向いて走っている構造的な問題が隠れていることがあります。
このギャップを経営者と共に発見していくプロセス自体が、信頼関係と探究心にもとづく本質的な課題解決です。
コストと時間の考え方
本質的な課題解決は「コスト」ではなく「投資」として捉えるべきです。短期的には売上改善施策よりも成果が見えにくい一方で、中長期的には離職率低下、生産性向上、採用力強化といった複合的なリターンを生みます。
たとえば、理念づくりと運用設計を含むプロジェクトでは、年間数百万円規模の投資になるケースもありますが、離職率が数%改善するだけで、人材採用・育成コストの削減だけで同等以上の効果が生まれることが多くあります。
また、理念を軸にしたブランディングは、顧客からの信頼向上や単価アップにもつながりやすく、財務面と非財務面の両方で効果が期待できます。
私たちem株式会社としても、「短期で数字を上げる打ち手」より、「長期で企業価値を高める投資」としての支援設計を大切にしています。
なぜ私たちem株式会社が本質的な課題解決にこだわるのか
私たちが本質的な課題解決にこだわる理由は、自社の苦い経験にあります。
かつて、私たちは理念もビジョンも明確にしないまま、目の前の仕事を「なんでも屋」として引き受け、事業を拡大していました。売上は伸びていましたが、「何のために働いているのか」「この会社はどこに向かっているのか」という問いに答えることができませんでした。
その結果、社員全員が退職するという事態に直面しました。
この経験から、私たちは「理念がなければ組織は持続しない」という痛烈な教訓を得ました。そして、自社の理念づくりに本気で取り組み、10のValueを言語化し、日々の業務に落とし込む仕組みをつくりました。
この経験があるからこそ、クライアント企業に対しても「表面的な課題解決」ではなく「本質的な課題解決」を提案できるのです。私たちは、経営者の痛みを理解し、同じ失敗を繰り返さないための伴走者として、誠実に向き合い続けます。
よくある質問
Q1. なぜ本質的な課題まで掘り下げる必要があるのですか?
本質的な課題まで掘り下げないと、同じ問題が形を変えて繰り返され、対症療法では効果が持続しないからです。たとえば、離職率を下げるために給与を上げても、根本的な原因が「成長実感の欠如」であれば、一時的な効果しか得られません。
Q2. 信頼関係と誠実性はどうやって築けばよいですか?
約束を守る、情報を正直に共有する、相手の立場を尊重して傾聴することを継続することで、信頼関係と誠実性が形になっていきます。一朝一夕にはいきませんが、小さな約束を守り続けることが、大きな信頼につながります。
Q3. 探究心を持った問いかけのポイントは何ですか?
「なぜ?」を繰り返し、現象だけでなく背景や前提条件にも目を向けることが、探究心を活かした問いかけのポイントです。「5回のなぜ」という手法を使い、表面的な答えで満足せず、構造的な要因にたどり着くまで問い続けることが重要です。
Q4. 理念の可視化と習慣化にはどれくらい時間がかかりますか?
理念の策定に数か月、その後の習慣化には少なくとも1年程度が必要で、継続的な対話と運用の見直しが欠かせません。理念は「作って終わり」ではなく、「使い続けて育てる」ものです。
Q5. 小さな会社でも理念づくりは必要ですか?
従業員数が少ない段階ほど経営者の考えが組織文化を決めるため、早い時期から理念を言語化しておくことが重要です。むしろ、小さいうちに理念を明確にしておくことで、組織が大きくなっても一貫性を保ちやすくなります。
Q6. 本質的な課題に向き合うと現場が疲弊しませんか?
プロセス設計と対話の質を工夫すれば、責め合いではなく「一緒により良くする場」として機能し、むしろエンゲージメント向上につながります。大切なのは、問題を「誰かのせい」にするのではなく、「みんなで解決する課題」として捉えることです。
Q7. em株式会社に相談するタイミングはいつが良いですか?
組織を30名以下から拡大・拡充したいと考え始めた段階や、離職や一体感の低下が気になり出した段階が、理念づくりと本質的な課題整理を始める適切なタイミングです。問題が深刻化する前に、早めにご相談いただくことをおすすめしています。
Q8. コンサルティングの費用はどのくらいですか?
プロジェクトの規模や期間によって異なりますが、本質的な課題解決には1年〜2年程度の伴走が必要となることが多いです。短期的なコストではなく、中長期的な投資として捉えていただければと思います。詳細については、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
信頼関係(誠実性)と探究心を両輪とすることが、本質的な課題にたどり着き、持続的な組織変革を実現する最も確実な方法です。
理念の可視化と習慣化は、経営者の思いを全社員の行動基準に変え、課題を「理念とのギャップ」として整理するための強力なフレームです。
私たちem株式会社は、失敗から学んだ実体験と10のValueをもとに、経営者の「思いをカタチにする」伴走型のコンサルティングで、中小企業の潜在力を引き出す支援を行っています。
表面的な課題解決ではなく、本質的な課題解決を目指したい経営者の皆さま、ぜひ一度お話しさせてください。私たちは、誠実な対話と粘り強い問いで、貴社の未来を一緒に描いていきます。
この記事についてのお問い合わせや、組織コンサルティングに関するご相談は、em株式会社までお気軽にご連絡ください。
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em株式会社(イーエムカブシキガイシャ)
代表取締役 郷司 光
経営理念:そうぞうの力で未来を描く
Purpose:中小企業の魅力を引き出し国力を上げる
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