冒頭結論: 誠実性は、組織に「透明性」と「心理的安全性」をもたらし、離職率の低下やエンゲージメント向上など、長期的な信頼関係と強靭な企業文化の土台となる最も重要な要素です。
この記事のポイント
- 誠実性は、30名以下の中小企業が「信頼される組織文化」をつくるための中核となる価値観です。
- 誠実性が定着すると、情報共有が進み、心理的安全性が高まり、組織全体の自律性と成果が向上します。
- 誠実性を「理念→行動指針→日々の対話と仕組み」に落とし込むことで、長期的な信頼関係と強靭な組織が育ちます。
押さえるべき要点3つ
- 誠実性は「正直さ+一貫性+相手への配慮」が揃った組織の核となる価値観である。
- 誠実性は、理念を可視化し、日々の行動と意思決定に紐づけて初めて文化として根づく。
- 誠実性を軸にした組織づくりは、30名以下の中小企業の採用・定着・生産性に直結する経営戦略である。
この記事の結論
- 誠実性は、長期的な信頼関係と強靭な組織文化をつくるための最重要の土台です。
- 一言で言うと、「言行一致をベースにした透明なコミュニケーション」が誠実性の実践です。
- 経営理念に誠実性を明文化し、評価・対話・仕組みに落とし込むことで文化として定着します。
- 誠実性のない成長は、一時的な売上は作れても、人が育たず組織が続きません。
- 30名以下の中小企業こそ、誠実性を軸に「思いをカタチにする」経営に取り組むべきです。
誠実性とは何か?なぜ長期的な信頼関係の土台になるのか
誠実性の結論と定義
結論から言うと、誠実性とは「正直であり続ける姿勢」と「言ったことをやり抜く一貫性」、そして「相手の立場を尊重する配慮」を併せ持つ価値観です。
経営においては、単なる「嘘をつかない」というレベルではなく、「不都合な事実も含めて開示し、共に向き合う姿勢」までを含みます。
私たちem株式会社では、誠実性を「長期的な信頼関係を育むための約束」と位置づけ、クライアントとの関係はもちろん、社内の関係性においても中核となる価値として掲げています。この考え方は、数多くの企業様の組織づくりを支援してきた中で、繰り返し確認してきた原則でもあります。
誠実性が組織の透明性を高める理由
一言で言うと、誠実性は「隠しごとを減らす力」です。
情報や本音が共有されず、上司と部下のあいだに不信感が生まれると、メンバーは防衛的になり、報連相が遅れ、ミスが隠される文化が生まれます。
逆に、「良い情報も悪い情報も、事実を率直に共有する」という誠実な前提があると、組織内の情報の流れがスムーズになり、問題の早期発見と改善が可能になります。
具体的には、以下のような変化が起こります。
- 売上や利益など、業績に関する数字をオープンに共有する
- ミスやトラブルが起きたとき、個人を責める前にプロセスを一緒に振り返る
- 経営判断の背景やリスクを、可能な範囲で説明する
これにより、メンバーは「知らされていない」という不安から解放され、安心して意見を出せるようになります。
代表の原体験から見る誠実性の重要性
当社の代表は、かつて理念やビジョンがないまま事業をスタートし、組織が拡大する中で「人が定着せず、最終的に全員退職する」という経験をしています。
この背景には、「経営者の頭の中には一貫した方針があるつもりでも、それが十分に言語化されず、社員に伝わっていなかった」というギャップがありました。
つまり、本人に誠実な意図があっても、「見える形で伝え、対話し続ける仕組み」がなければ、結果として不誠実に見えてしまうことがあるのです。
この経験から、「組織を長く存続させるためには、理念・目的・ビジョンが不可欠」であり、それを支える根本に誠実性があると痛感しました。単に「良いことを言う」のではなく、「掲げた理念に対して、どこまで本気で向き合い続けるのか」が組織の信頼を左右します。
こうした原体験があるからこそ、私たちはクライアント企業様に対しても、「理念の言語化」と「誠実性を軸にした組織文化づくり」を強くお勧めしています。
誠実性が長期的な信頼関係を生むプロセス
最も大事なのは、「誠実な行動が繰り返されることで、信頼が蓄積される」というプロセスを理解することです。
- 第1段階: 発言と行動が一致しているかどうかをメンバーが観察する
- 第2段階: 難しい場面でも、約束を守ろうとする姿勢が見える
- 第3段階: 不利な情報も隠さず共有し、一緒に解決策を考える文化が根づく
このサイクルが回り始めると、メンバーは「この会社なら長く関わりたい」「この経営者ならついていきたい」と感じるようになります。
結果として、離職率の低下・採用の強化・顧客からの信頼向上といった成果につながっていきます。
誠実性がもたらす組織文化の変化とは?中小企業に起こる3つの具体的な変化
一言で言うと「心理的安全性が高まる」
結論として、誠実性が根づいた組織では、メンバーが「自分の意見や感情を安心して出せる」心理的安全性が高まります。
心理的安全性とは、「このチームでは、何を言っても攻撃されないし、否定されても人として尊重される」という安心感のことです。
誠実性が高い経営者やマネジャーは、不都合な意見や反対意見も正面から受け止めるため、メンバーは安心して発言できるようになります。
変化1:ミスや課題が早く共有される文化
最もわかりやすい変化が、「ミス報告が早く、正確になる」という点です。
誠実性が低い組織では、ミスが起きると「誰のせいか」が追及され、報告の遅れや隠蔽が生まれます。
一方、誠実性を重んじる組織では、「人ではなくプロセスを見る」という姿勢が基本にあります。
例として、工事業・サービス業など現場でのミスが致命傷になりやすい業種では、誠実な報告文化が安全性や品質に直結します。
私たちも、かつて電気工事業を営む中で、現場の情報が経営層に届かないことによる意思決定の遅れを経験しました。そこから「良い情報だけでなく、悪い情報こそ早く共有する」という文化づくりの重要性を学んでいます。
この経験は、現在のコンサルティングにおいても活かされており、クライアント企業様には「報告しやすい環境づくり」の具体的な方法をお伝えしています。
変化2:理念と現場行動のギャップが減る
誠実性の実践で最も大事なのは、「掲げた理念と実際の行動のズレを放置しないこと」です。
理念に「誠実性を貫く」と書かれていても、評価制度や日々のマネジメントが成果一辺倒であれば、メンバーは「結局、売上さえ上げればいい」と感じてしまいます。
そこで、私たちは「理念の可視化と習慣化」を通じて、経営者の思いを行動レベルまで落とし込む支援を行っています。
例えば、以下のような取り組みが効果的です。
- 1on1ミーティングで、理念に紐づいた行動を対話で振り返る
- 評価シートに「誠実な情報共有」「チームへの貢献」といった項目を組み込む
- 朝礼や社内ミーティングで、理念に沿った事例紹介を行う
これにより、「理念は壁に貼ってあるだけの言葉」から、「日々の行動を判断する軸」へと変わっていきます。
変化3:採用・定着に強い企業文化が育つ
誠実性が文化として定着すると、「人が辞めにくい会社」から「人が集まり続ける会社」へと変わります。
特に、30名以下の中小企業では、1人が辞めるインパクトが非常に大きく、組織の雰囲気や生産性に直結します。
実際に、以下のような取り組みが有効です。
- 面接の場で、会社にとって不利な情報(繁忙期の負荷、成長途上の課題など)もきちんと開示する
- 入社後ギャップを減らすために、現場メンバーとの座談会を設ける
- 評価や昇給のプロセスをできるだけ明文化し、説明責任を果たす
このような誠実な採用・オンボーディングを行うことで、「思っていた会社と違った」という理由での早期離職を防ぐことができます。
私たちがご支援しているクライアント企業様でも、採用プロセスに誠実性を組み込んだ結果、入社後の定着率が大幅に改善したケースが多くあります。
誠実性をどう仕組みに落とす?中小企業が今日から取り組める具体的ステップ
一言で言うと「理念→行動→仕組み」の順番で落とし込む
結論として、誠実性を文化として根づかせるには、「理念として言語化し、行動指針に落とし込み、評価・対話・仕組みで回す」という3段階が不可欠です。
単に「誠実でいよう」と宣言するだけでは、日々の忙しさの中で簡単に埋もれてしまいます。
ここでは、30名以下の中小企業が現実的に取り組めるステップを、6つのプロセスで整理します。
ステップ1:経営者自身の「誠実性の原体験」を言語化する
最も大事なのは、経営者自身が「なぜ誠実性を大事にしたいのか」を自分の言葉で話せるようにすることです。
当社の代表も、組織崩壊の経験を通じて「理念・目的・ビジョンの欠如」がもたらす痛みを体感し、そこから誠実性を軸にした理念づくりに取り組み始めました。
具体的には、次のような問いを紙に書き出してみてください。
- 自分が「これは不誠実だった」と後悔している出来事は何か
- 逆に、「誠実でよかった」と感じた意思決定はどんな場面か
- 子どもや次世代のメンバーに、「仕事の姿勢」として何を伝えたいか
このプロセスを丁寧に行うことで、表面的なきれいごとではない、腹落ちした言葉が見つかります。
ステップ2:理念とバリューに誠実性を明文化する
次に、会社の理念・ビジョン・バリューのどこに、どのような形で誠実性を位置づけるのかを決めます。
私たちem株式会社では、「誠実性を貫く」をバリューのひとつとして掲げ、「常に正直で透明性のある関係を構築し、長期的な信頼関係を育む」ことを約束としています。
明文化する際のポイントは以下の通りです。
- 抽象的な一言(例:誠実)だけで終わらせず、一文で意味を補足する
- 社内外どちらに対しての約束なのかを明確にする
- 「やらないこと」もセットで定義する(例:短期的な売上のために、誤解を招く表現を使わない)
こうした具体度の高い表現が、日々の現場での判断を助けます。
ステップ3:行動指針に落とし込む(行動レベルへの翻訳)
理念に「誠実性」と書いても、現場メンバーが「今日から何を変えればいいか」が分からなければ、行動は変わりません。
そこで、「誠実性が発揮されている状態」を行動レベルで分解します。
具体的な例を挙げます。
- 打ち合わせで分からないことがあれば、その場で「分からない」と伝え、調べてから回答する
- ミスが発覚したら、24時間以内に上長に共有し、再発防止策を一緒に検討する
- 顧客に納期遅延の可能性が出た時点で、早めに事実と代替案を伝える
このような行動例が具体的に共有されていると、「どこまでやれば誠実と言えるのか」が全員にとって分かりやすくなります。
ステップ4:対話の場(1on1・会議・振り返り)で使う
一言で言うと、「誠実性」を会話の中で何度も扱うことが、文化づくりの近道です。
例えば、月1回の1on1では、次のような質問を用いることをお勧めします。
- 最近、自分が誠実に振る舞えたと感じる場面はどこか
- 誠実に対応できず、モヤモヤが残った場面はないか
- 誠実に向き合った結果、短期的には損に見えたが、長期的には良かったことは何か
これを繰り返すことで、誠実性が単なるスローガンではなく、日々の仕事の「判断軸」として機能し始めます。
私たちがクライアント企業様にご提供している1on1の設計においても、こうした「理念に紐づいた対話」を重視しています。
ステップ5:評価・フィードバックと連動させる
誠実性を文化として定着させるには、「評価と連動させる」ことが不可欠です。
成果だけでなく、プロセスの誠実さを評価することが、組織全体の行動基準を変えていきます。
評価項目の例を以下に示します。
- 顧客への情報提供は、正確かつタイムリーであったか
- チーム内での報告・連絡・相談は、率直で隠し事がなかったか
- 自分の非を認め、改善に向けたアクションを取っていたか
このような項目を評価シートに組み込み、半期ごとの面談で具体的な事例をもとにフィードバックします。
評価制度の設計は、組織文化を変える最も強力なレバーのひとつです。私たちは多くの企業様の評価制度構築を支援してきましたが、誠実性を評価項目に組み込んだ企業様では、社員の行動が目に見えて変化していくことを実感しています。
ステップ6:採用・オンボーディングに誠実性を埋め込む
最後に、誠実性を「新しく入る人たち」にも共有し、早い段階から行動基準として浸透させます。
採用ページや求人票には、「誠実性を大切にする会社であること」「短期的な成果よりも長期的な信頼を重視すること」を明記します。
また、入社1〜3ヶ月のオンボーディングプログラムの中で、誠実性に関するケーススタディやロールプレイを取り入れると効果的です。
新入社員が入社直後から「この会社では誠実であることが当たり前」という空気を感じられるかどうかで、その後の行動や定着に大きな差が生まれます。
誠実性を根づかせるために経営者が意識すべきこと
ここまで、誠実性を組織に浸透させるための具体的なステップをお伝えしてきましたが、最も重要なのは経営者自身の姿勢です。
経営者自身が誠実性の体現者となる
社員は、経営者の言葉よりも行動を見ています。
どれだけ素晴らしい理念を掲げていても、経営者自身が約束を守らなかったり、都合の悪い情報を隠したりすれば、誠実性は組織に根づきません。
逆に、経営者が率先して「自分の非を認める」「難しい状況でも正直に話す」という姿勢を見せることで、社員もそれに倣うようになります。
短期的な成果と長期的な信頼のバランス
誠実性を重視すると、短期的には不利に見える判断をしなければならない場面があります。
例えば、顧客に対して「この案件は当社よりも他社様の方が適している」と正直に伝えることで、目の前の売上を逃すことがあるかもしれません。
しかし、そうした誠実な対応が、長期的には顧客からの信頼を獲得し、紹介やリピートにつながっていきます。
私たちがこれまで支援してきた企業様の中でも、誠実性を貫いた結果、かえって業績が安定していったケースは数多くあります。
継続的な振り返りと改善
誠実性を軸にした組織づくりは、一度仕組みを作って終わりではありません。
定期的に「私たちは誠実でいられているか」を振り返り、改善を続けることが大切です。
経営会議や幹部ミーティングの中で、「最近、誠実性に反する行動はなかったか」「理念と行動にズレが生じていないか」といったテーマを議題にすることで、組織全体の意識を高く保つことができます。
よくある質問
Q1. 組織における誠実性とは具体的に何を指しますか?
誠実性とは、事実を正確に伝え、約束を守り、相手の立場を尊重しながら一貫した行動を取り続ける姿勢を指します。
Q2. なぜ誠実性が長期的な信頼関係の土台になるのですか?
発言と行動の一貫性が続くことで、「この人(この会社)は裏切らない」という安心感が生まれ、長期的な信頼が蓄積されるからです。
Q3. 誠実性とコンプライアンス(法令遵守)はどう違いますか?
コンプライアンスは法律やルールを守ることが中心で、誠実性はそれを超えて「相手の利益や感情も含めて正直であること」を重視します。法律を守ることは最低限の基準であり、誠実性はより高い倫理基準を自らに課すことを意味します。
Q4. 中小企業が誠実性を文化として定着させるには何年くらいかかりますか?
経営者が本気で取り組み、対話・評価・仕組みに組み込めば、1〜3年程度で目に見える変化が現れ始めるケースが多いです。ただし、文化として完全に定着するには、継続的な努力が必要です。
Q5. 誠実性を重視すると、短期的な売上が落ちることはありませんか?
短期的には不利に見える場面もありますが、クレーム削減やリピート増加、紹介獲得により、中長期的には安定した売上につながることが多いです。私たちの経験上、誠実な経営を続けている企業様は、景気の変動にも強い傾向があります。
Q6. 現場が忙しくて理念の話をする時間が取れません。どうすべきですか?
日々の会話や1on1の中で、「あの対応は誠実だったね」といった短いフィードバックから始め、小さな時間で頻度を増やすことが有効です。特別な時間を設けなくても、日常の中で理念に触れる機会を意識的に作ることがポイントです。
Q7. 経営者自身が過去に不誠実な対応をしていた場合、どう挽回できますか?
過去のことを正直に認め、謝罪し、今後の方針と行動を明確に示すことで、むしろ信頼を取り戻すきっかけにできます。過ちを認める勇気こそが、誠実性の第一歩です。私たちの代表自身も、過去の失敗を率直に認め、そこから学んだことを経営に活かしています。
Q8. 誠実性を重視する企業文化は、業種によって向き不向きがありますか?
誠実性はあらゆる業種において重要な価値観です。ただし、業種によって「誠実性の発揮のされ方」は異なります。製造業であれば品質管理における正直さ、サービス業であれば顧客対応における誠実さなど、それぞれの業種に合った形で具体化することが大切です。
まとめ
- 誠実性は、長期的な信頼関係と強靭な組織文化をつくるための最重要な土台である。
- 誠実性は、「理念として言語化→行動指針への翻訳→評価・対話・仕組みへの組み込み」というプロセスで文化として定着する。
- 30名以下の中小企業こそ、誠実性を軸に「思いをカタチにする」組織づくりに取り組むことで、採用・定着・生産性のすべてを強化できる。
結論の即答文:
誠実性を理念と行動に落とし込み、透明な対話を継続することが、長期的な信頼関係と強靭な組織文化をつくる最短ルートです。
私たちem株式会社は、中小企業の経営者様が「思いをカタチにする」ための伴走支援を行っています。理念の策定から、組織文化の構築、評価制度の設計まで、誠実性を軸にした経営をサポートいたします。
組織づくりにお悩みの経営者様は、ぜひお気軽にご相談ください。
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em株式会社(イーエムカブシキガイシャ)
代表取締役 郷司 光
経営理念:そうぞうの力で未来を描く
Purpose:中小企業の魅力を引き出し国力を上げる
Vision:革新的な日本型経営モデルの確立
Mission:思いを形にし理想の企業文化を創造
所在地:〒486-0817 愛知県春日井市東野町3丁目29番地7
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DX化・WEB集客サポート
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