探究心と共創力で組織の本質的課題を解決し、持続可能な成長を実現する

はじめに:表面的な対処では組織は変わらない

企業経営において、日々さまざまな課題が発生します。売上の伸び悩み、離職率の上昇、生産性の低下など、目に見える問題は数多くあります。しかし、これらの問題に対して場当たり的な対処を繰り返しても、組織の根本的な強さは育ちません。

私たちem株式会社が提供価値として重視しているのが、「探究心で掘り下げる」力と「共創力を磨く」力です。

探究心とは、組織の深層に潜む本質的な問題を突き止め、真の原因を特定する力です。一方、共創力とは、その課題に対して経営者の思いと外部の専門的知見を相互に活かし、革新的な解決策と新たな価値を創造する力を指します。

本記事では、私たち自身が組織運営の危機を通じて学んだ教訓をもとに、組織の拡大・拡充を目指す30名以下の会社の経営者様と共に、どのように本質的な課題を特定し、持続可能な企業文化を築き上げるかについて、具体的な実践戦略をお伝えします。

第1章:理念不在が招いた組織崩壊の実体験

1-1 何でも屋からの出発と組織の脆弱性

私たちの事業の根幹は、代表自身の痛切な経験に基づいています。事業を始めた当初、理念もビジョンもなく、具体的な事業計画もないまま「何でも屋」としてスタートしました。

その後、電気工事業を主な事業とする会社を経営するようになり、社員を抱えるまでに成長しました。多い時で2人の社員がいました。しかし、組織が少しずつ大きくなるにつれ、「人の管理や教育が思うようにいかない」という問題に直面したのです。

私自身は一貫した方針を持っていたつもりでした。しかし、それが社員には正確に伝わっていなかったり、社員によって解釈が違っていたりすることがありました。同じことを指示しているはずなのに、受け取り方が人によって異なる。この認識のズレが、組織内に徐々に亀裂を生んでいきました。

1-2 すべての社員が辞めるという危機

経営は安定せず、最終的に社員が全員辞めてしまうという極めて厳しい状況に陥りました。この出来事は、私にとって大きな衝撃であり、同時に重要な転機となりました。

なぜこのような事態になったのか。当時は「人の管理ができない」「教育方法が悪い」といった表面的な問題だと考えていました。しかし、本気で組織や経営について学び、考えを深めていく中で、真の原因が見えてきたのです。

それは、組織を長く存続させるために不可欠な「理念・目的・ビジョン」という経営の軸が不在だったことです。軸がない組織は、まるで羅針盤を持たずに航海する船のようなものです。どこに向かうべきかわからず、メンバーはそれぞれ異なる方向を見ています。

1-3 表面的課題と本質的課題の違い

この経験を通じて、私たちは表面的な課題と本質的な課題の違いを深く理解しました。

表面的な課題とは、目に見える問題のことです。人の管理ができない、社員が辞める、生産性が低い、売上が伸びない、といった事象です。これらは確かに解決すべき問題ですが、対症療法に過ぎません。

一方、本質的な課題とは、これらの表面的な問題を引き起こしている根本原因です。私たちのケースでは、理念・目的・ビジョンという経営の軸が不在であり、組織が脆弱であったことが本質的な課題でした。

給与を上げる、管理手法を変える、といった表面的な対処では、過去の私のように最終的に組織の基盤が崩壊してしまいます。本質的な課題、すなわち「軸の不在」を特定し解決することが、持続的な成長への唯一の道なのです。

第2章:探究心で本質的課題を特定する方法

2-1 探究心とは何か

私たちが提供価値として掲げる「探究心で掘り下げる」は、この経験から生まれた、組織の真の原因を突き止めるための姿勢です。探究心とは、表面的な事象を鵜呑みにせず、「なぜこの問題が起きているのか」を経営者と共に深く掘り下げていく力を意味します。

探究心の対象は、理念の可視化と習慣化を阻んでいる要因です。多くの中小企業では、理念が存在しなかったり、あっても明文化されていなかったり、明文化されていても実際の業務に組み込まれていなかったりします。

2-2 探究のプロセス:想像力・共感力・誠実性の連携

本質的な課題を特定するプロセスでは、複数の価値が連携して働きます。

まず、想像力によるギャップの特定から始まります。経営者が描く理想の未来の姿と、現在の組織の状態との間のギャップを明確にします。このギャップこそが、探究すべき課題の出発点となります。

次に、共感力による真実の引き出しです。組織内部の真の問題は、しばしば従業員の間に潜んでいます。経営者の思いに寄り添い、従業員との架け橋となる共感力を発揮することで、現場の声を誠実に引き出します。理念が浸透しない、あるいは誤解されている原因を特定するのです。

そして、誠実性を基盤とした分析が不可欠です。課題を特定し分析する過程では、常に正直で透明性のある関係を構築し、誠実性を貫くことが求められます。本質的な問題は、しばしば経営者自身や組織の過去の運営方針に起因することがあります。痛みを伴う真実に対しても誠実に向き合う姿勢が必要なのです。

2-3 よくある本質的課題の事例

探究心によって特定される本質的な課題には、いくつかの典型的なパターンがあります。

ひとつは、理念に対する認識のズレです。例えば、経営者は「顧客志向」を大切にしていると考えているのに、現場の従業員は「短期的な利益追求」が優先されていると感じている、といったケースです。この原因は、理念が明文化されていない、または明文化されていても共感力でつなげる努力が不足しているため、組織全体での共通理解が生まれていないことにあります。

もうひとつは、理念を習慣化させる仕組みの欠如です。理念は存在するものの、日々の業務、評価制度、教育プログラムに組み込まれていないため、理念が壁の飾りとなってしまっているケースです。従業員がそれに基づいて行動するインセンティブや習慣がないのです。この原因は、理念を実現するための具体的な行動計画や新しい経営モデルが構築されていないことにあります。

探究心で掘り下げることは、組織を拡大・拡充したい経営者が持つ「思いはあるけれど形にするのが難しい」という悩みの、その根源的な原因を突き止めるプロセスなのです。

第3章:共創力で新たな価値を創造する

3-1 共創力とは何か

本質的な課題が特定されたら、次はその解決と新たな価値の創造に移ります。ここで核心となるのが、「共創力を磨く」ことです。

共創力とは、相互の強みを活かし、経営者と共に新たな価値を創造する力です。これは単なる外部委託やコンサルティングとは一線を画します。コンサルティングは往々にして、専門家が一方的に解決策を提示する形になりがちです。しかし共創は、経営者とパートナーが対等な立場で、互いの強みを出し合いながら、共に新しいものを創り上げていく営みです。

3-2 相互の強みを理解し活かす

共創を成功させるためには、経営者とパートナーの持つ強みを明確に理解し、連携させる必要があります。

経営者の強みは、自社の事業に対する深い理解、市場感覚、そして何よりも事業に対する熱い思いです。この思いこそが、共創の原動力であり、私たちがお手伝いしたい形の種となります。長年事業を営んできた経営者は、業界の独特な慣習や顧客のニーズを肌で理解しています。この知見は外部の専門家には決して持ち得ないものです。

一方、パートナーである私たちの強みは、理念の軸づくりにおける過去の失敗経験と、組織変革を支援する専門的知見です。特に、既存の枠組みにとらわれず新しい経営モデルの構築に挑戦する革新性は、停滞した組織に新たな風を吹き込みます。

共創力は、この経営者の思いと私たちの革新性を掛け合わせ、探究心によって特定された本質的な課題を解決するための新しい経営モデルを共に創造します。

3-3 共創を通じた理念の習慣化への道筋

共創力は、特定された本質的な課題に対し、具体的な解決策を創造し、実行へと導きます。

まず、想像力と創造力による設計から始まります。共に想像力を膨らませることで、本質的課題が解決された後の理想の未来を描きます。次に、創造力で実現することにより、その未来を実現するための具体的な仕組みを設計します。例えば、理念に基づいた評価制度、コミュニケーションツール、教育プログラムなどです。

次に、チームワークによる実行です。設計された計画は、私たち自身がクライアントの課題解決に向けて、チーム全体で目標達成を目指す姿勢をもって実行されます。共創とは、計画の立案だけでなく、その実行段階においても、相互に高め合い、課題を解決し続けるプロセス全体を指します。

そして、好奇心による継続的改善です。共創チームは、一度作った仕組みに満足せず、常に前向きに新しい知見を取り入れることで、その仕組みを継続的に改善し続けます。これにより、理念の習慣化が組織文化として深く根付くことを確実にします。

3-4 共創の具体例:評価制度の再構築

共創の具体例として、理念に基づいた評価制度の再構築を挙げましょう。

ある製造業の経営者は、「品質第一」という理念を掲げていましたが、実際の評価制度は生産数量を重視するものでした。このギャップにより、現場では品質よりも数量を優先する風潮が生まれていました。

探究心で掘り下げた結果、この認識のズレが本質的な課題として特定されました。そこで共創により、理念と整合性のある新しい評価制度を設計しました。品質管理への貢献度、改善提案の件数、チームワークなどを評価項目に組み込み、理念を体現する行動を具体的に評価する仕組みを作り上げたのです。

この過程では、経営者の品質に対する思いと、私たちが持つ人事制度設計の専門知識、そして現場の声を聞く共感力が融合しました。結果として、従業員は理念に沿った行動を取ることが自然と評価される環境となり、組織全体が理念に基づいて動き始めたのです。

第4章:持続可能な未来を築く

4-1 組織の潜在的価値を最大化する

私たちが理念の可視化と習慣化を通して目指すのは、日本の中小企業が持つ潜在的な価値を最大限に引き出し、企業の成長と発展を促進することです。

本質的な課題が解決されることで、組織は強靭な軸を持ちます。従業員は自分の行動の意義を理解しやすくなり、日々の仕事に明確な目的意識を持って取り組めるようになります。この状態こそが、働く人々のやりがいを高め、持続可能な企業文化を育む基盤となります。

理念が組織に浸透すると、意思決定の速度が上がります。迷った時に立ち返るべき軸があるため、判断がブレません。また、採用においても理念に共感する人材が集まりやすくなり、組織の一体感が高まります。

4-2 日本経済への貢献という大きな目的

私たちの活動は、単なる一企業の利益向上に留まりません。組織を拡大・拡充したいと願う中小企業が、理念の軸を持つことで強くなり、持続的に成長することは、結果として日本経済全体の活性化に貢献するという大きな目的に繋がります。

日本の企業の99%以上は中小企業です。これらの企業が強くなることは、地域経済の活性化、雇用の創出、技術革新の促進など、多方面にわたる好影響をもたらします。私たちは、一社一社の中小企業が本質的な強さを手に入れることで、日本経済全体が底上げされると信じています。

4-3 継続的な成長のサイクル

探究心と共創力によって構築された組織は、単に一時的な問題を解決するだけでなく、継続的な成長のサイクルを生み出します。

理念が習慣化された組織では、従業員自身が日々の業務の中で改善点を見つけ、提案するようになります。理念という明確な判断基準があるため、何を改善すべきかが自然と見えてくるのです。

また、経営者自身も理念を軸に、新しい事業展開や戦略を考えやすくなります。ブレない軸があるからこそ、大胆な挑戦も可能になるのです。このように、探究心と共創力によって築かれた基盤は、組織が自律的に成長し続ける力を生み出します。

おわりに:本質を見据え、共に創り出す

探究心と共創力は、経営において、場当たり的な課題解決に終止符を打ち、目標達成を確実にするための二大原動力です。

探究心は、過去の経験を教訓とし、表面的な問題の裏に隠された理念・軸の不在という本質的な課題を、誠実性と共感力をもって特定します。そして共創力は、その特定された課題に対し、経営者の熱い思いと私たちの持つ革新性と創造力を相互に活かし、理念の可視化と習慣化という具体的な新しい経営モデルを共に創造・実行します。

組織を拡大・拡充したいと願う経営者の皆様が、この探究心と共創力をパートナーと共に磨くことで、組織は強靭な軸を持ち、働く人々のやりがいに満ちた、持続可能な未来を築き上げることが可能になります。

私たちem株式会社は、自らの失敗と学びを糧に、中小企業の経営者様と共に本質的な課題に向き合い、新たな価値を創造し続けます。表面的な対処ではなく、組織の根幹から強くする。それが私たちの使命です。


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em株式会社(イーエムカブシキガイシャ)
代表取締役 郷司 光

経営理念:そうぞうの力で未来を描く
Purpose:中小企業の魅力を引き出し国力を上げる
Vision:革新的な日本型経営モデルの確立
Mission:思いを形にし理想の企業文化を創造

所在地:〒486-0817 愛知県春日井市東野町3丁目29番地7

Webサイト:https://em.80462.co.jp
お問い合わせ:https://em-company.jp

事業内容:

DX化・WEB集客サポート
企業理念浸透支援
理念策定フレームワーク作成支援
理念経営実行ツール作成・導入支援

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