はじめに:成長を阻む「見えない鎖」から解放されるために
中小企業の経営において、最も恐ろしいのは「変化しないこと」ではないでしょうか。多くの経営者が「このやり方で今までうまくいってきたから」という理由で、過去の成功体験や慣習にしがみついています。しかし、市場環境は刻一刻と変化しており、昨日の成功が明日の成功を保証するわけではありません。
私たちem株式会社は、理念構築支援を通じて多くの中小企業をサポートしています。その中で繰り返し目にするのが、「既存の枠組み」に縛られて身動きが取れなくなっている組織の姿です。
ある製造業の経営者はこう語りました。「うちは創業50年の老舗だから、やり方を変えるのは難しい」。しかし、その会社は若手社員の離職率が高く、新規顧客の獲得にも苦戦していました。長年の実績があるからこそ、既存のやり方に固執してしまい、時代の変化に対応できなくなっていたのです。
特に、従業員30名以下の中小企業では、経営者の決断が組織全体に直接影響します。だからこそ、既存の枠組みを打ち破り、「革新性で挑戦する」姿勢が不可欠なのです。
本記事では、なぜ既存の枠組みへの固執が組織を弱体化させるのか、そして理念に基づく革新的な経営モデルがどのように企業を成長させるのかを、具体的な事例を交えながら解説します。
既存の枠組みが組織を硬直化させるメカニズム
「暗黙の了解」がもたらす危険性
中小企業の現場でよく見られるのが、「言わなくても分かるだろう」という暗黙の了解です。創業当初から一緒に働いてきたメンバー同士であれば、阿吽の呼吸で仕事が進むこともあるでしょう。しかし、組織が少しずつ大きくなり、新しいメンバーが加わると、この暗黙の了解が大きな問題を引き起こします。
例えば、ある建設会社では、社長が「安全第一」を口にしながらも、実際の現場では「とにかく早く仕上げること」が優先されていました。新入社員は社長の言葉を信じて丁寧に作業を進めようとしますが、先輩社員からは「もっと早く動け」とプレッシャーをかけられます。このような矛盾した状況が続くと、新入社員は何を信じて良いか分からなくなり、やがて離職してしまいます。
これは経営方針が明文化されておらず、場当たり的な判断が繰り返されてきた結果です。既存の枠組み、つまり「これまでのやり方」が曖昧なまま放置されていると、組織内部で方向性の統一が図れず、結果として人材の定着率が低下してしまうのです。
「一貫したつもり」の落とし穴
多くの経営者は、自分の中では一貫した方針を持っていると考えています。しかし、それが従業員に正しく伝わっているかというと、話は別です。
あるIT企業の例を見てみましょう。社長は「顧客満足を最優先に」という方針を持っていました。しかし、ある従業員はそれを「どんな無理な要望でも受け入れる」と解釈し、別の従業員は「適切な提案を通じて顧客の真のニーズに応える」と解釈していました。結果として、顧客対応にばらつきが生じ、一部の従業員は過重労働に苦しみ、組織全体の士気が低下していきました。
このような「解釈のズレ」は、経営方針が明確に言語化されていないことから生じます。経営者の頭の中にしか存在しない方針は、従業員の数だけ異なる解釈を生み出し、組織の行動規範を曖昧にしてしまいます。これが既存の枠組みの中で最も脆弱な部分であり、組織の成長を阻む大きな要因となるのです。
組織崩壊のシグナルを見逃すな
既存の枠組みへの固執がもたらす最も深刻な結果は、組織の崩壊です。これは決して大げさな話ではありません。
従業員が次々と辞めていく、新しい人材が定着しない、経営が不安定になる。これらは全て、既存の枠組みに問題があることを示すシグナルです。しかし、多くの経営者はこれらを「たまたま」や「最近の若者は」といった外部要因のせいにしてしまいます。
重要なのは、これらのシグナルが示しているのは「理念・目的・ビジョンの不在」だということです。組織を長く存続させ、持続的に成長させるためには、明確な理念に基づく新しい経営モデルが必要なのです。既存の枠組みに固執し続けることは、組織の生存リスクそのものであると認識すべきでしょう。
理念に基づく「新しい経営モデル」への転換
革新性とは何か:曖昧さを排除する挑戦
「革新性で挑戦する」という言葉を聞くと、多くの人は斬新な商品開発や最新技術の導入を思い浮かべるかもしれません。しかし、私たちが提唱する革新性の本質は、もっと根本的なところにあります。それは、組織の根幹にある「曖昧さ」を排除し、理念に基づく明確な経営モデルを構築することです。
例えば、ある小売業の企業では、評価制度が曖昧で、何を基準に昇給や昇進が決まるのか従業員には分かりませんでした。経営者は「頑張っている人を評価している」と言いますが、その「頑張り」の定義が明確ではありません。ある従業員は長時間労働を頑張りと捉え、別の従業員は業務効率化を頑張りと捉えていました。
この企業が取り組んだのは、まず自社の理念を明確にすることでした。「地域に愛される店づくり」という理念を掲げ、それを実現するために必要な行動指針を具体化しました。その上で、評価制度も理念に基づいて再設計しました。「顧客満足度への貢献」「チームワークの発揮」「業務改善の提案」といった明確な評価基準を設けることで、従業員は何をすれば評価されるのかが分かるようになりました。
これが革新性の本質です。既存の曖昧な枠組みを打ち破り、理念という新しい軸を中心に経営システム全体を再構築することなのです。
持続可能な企業文化を育てる仕組み
新しい経営モデルの構築において、特に重要なのが企業文化の刷新です。文化とは、組織のメンバーが共有する価値観や行動様式のことを指します。この文化が健全であれば、組織は自然と成長していきますが、歪んだ文化は組織を内側から蝕んでいきます。
ある飲食チェーンの事例をご紹介しましょう。この企業では、長年「売上至上主義」の文化が根付いていました。店長は売上目標の達成のためなら何でもする、という雰囲気があり、従業員の健康や働きがいは二の次とされていました。結果として、離職率が高く、常に人手不足に悩まされていました。
この企業が理念構築支援を受け、「従業員が誇りを持って働ける環境づくり」という新しい理念を掲げました。そして、人事制度や教育プログラムを理念に基づいて刷新しました。具体的には、売上だけでなく、従業員満足度や顧客からの感謝の声も評価に組み込み、ワークライフバランスを重視した勤務体制を導入しました。
当初は「売上が落ちるのでは」という懸念もありましたが、従業員のモチベーションが向上し、結果として顧客サービスの質が上がり、売上も改善していきました。これは、革新的な経営モデルへの転換が、持続可能な企業文化を育て、長期的な成長を実現することを示す好例です。
探究心と創造力で本質を掘り下げる
革新的な挑戦は、決して思いつきや無謀な行動であってはなりません。それは、組織が抱える本質的な問題を深く理解し、その解決策を創造的に実現していく戦略的なプロセスです。
私たちem株式会社が大切にしているのは、「探究心で掘り下げる」ことです。表面的な問題の裏には、必ず根本的な原因があります。例えば、「従業員の定着率が低い」という問題の背景には、「評価制度が不明確」「キャリアパスが見えない」「経営方針が伝わっていない」といった複数の要因が絡み合っていることがほとんどです。
ある製造業の企業では、若手社員の離職が続いていました。経営者は「最近の若者は我慢が足りない」と考えていましたが、私たちが詳しく調査したところ、全く異なる事実が見えてきました。若手社員たちは、自分の仕事が会社全体の中でどのような意味を持つのか理解できず、また将来のキャリアビジョンも描けないまま、日々のルーティンワークをこなしていただけだったのです。
この本質的な問題を理解した上で、企業は理念を明確にし、各部門の役割と貢献を可視化しました。さらに、若手社員向けのキャリア開発プログラムを導入し、自分の成長が会社の成長とどうつながるのかを実感できる仕組みを作りました。これが「創造力で実現する」という価値の具体的な実践です。理念に基づく新しいモデルを、具体的な行動計画に落とし込み、実行支援を通じて理想の企業文化を創り上げていくのです。
革新性を加速させる10の共創アプローチ
新しい知見を取り入れる姿勢
既存の枠組みを打ち破るためには、常に新しい知見を取り入れる姿勢が不可欠です。私たちは「好奇心を発揮する」ことの重要性を強調しています。
ある卸売業の経営者は、長年同じ業界にいるため「自分は業界のことを全て知っている」と考えていました。しかし、デジタル化の波や働き方改革の流れなど、業界を取り巻く環境は大きく変化していました。私たちとの対話を通じて、この経営者は自分が知らない世界がまだまだたくさんあることに気づきました。
そこで、積極的に異業種交流会に参加したり、最新のビジネス書を読んだり、若手社員の意見に耳を傾けるようになりました。すると、これまで見えていなかった新しいビジネスチャンスが見えてきたのです。例えば、デジタルツールを活用した在庫管理システムの導入により、業務効率が大幅に向上し、従業員の残業時間も削減されました。
新しい知見を取り入れることは、既存の枠組みにとらわれない発想の源となります。そして、それを実現するためには、経営者自身も成長し続ける「向上心」が必要です。私たちem株式会社も、常に最新の経営理論や支援手法を学び続けることで、クライアント企業に最適な成長の道筋を示すことができるのです。
組織全体を巻き込む共感の力
新しい経営モデルへの転換は、経営者一人の力では実現できません。組織全体を巻き込み、全員が同じ方向を向いて進むことが必要です。そのために重要なのが「共感力」です。
変革には必ず抵抗が生まれます。人は本能的に変化を恐れるものだからです。ある運送会社では、新しい配送管理システムの導入を計画しましたが、長年紙ベースで業務を行ってきたベテラン社員たちから強い反発がありました。「今のやり方で問題ない」「新しいシステムは使いこなせない」といった声が上がりました。
このような状況で重要なのは、経営者の思いに寄り添いながら、従業員との架け橋となることです。私たちは、まず経営者がなぜこの変革を必要と考えているのか、その背景にある危機感や未来への展望を丁寧にヒアリングしました。そして、それを従業員にも分かりやすく伝え、変革の必要性について対話の場を設けました。
さらに、新システムの導入にあたっては、ベテラン社員の経験や知見を活かす形でカスタマイズを行いました。「あなたたちの知恵があるから、より良いシステムが作れる」というメッセージを伝え続けることで、抵抗は徐々に協力へと変わっていきました。これが共感力の実践です。変化を「やらされるもの」ではなく「共に挑戦するもの」へと変えることができれば、組織の一体感は飛躍的に高まります。
ビジョンを描く想像力とチームワーク
革新的な挑戦を成功させるためには、明確なビジョンが必要です。「想像力を膨らませる」ことで、新しい可能性を常に探求し、組織が目指すべき未来の姿を具体的に描くのです。
ある介護サービス事業所では、慢性的な人手不足に悩んでいました。介護業界全体の課題でもあるため、「どうせ解決できない」と諦めムードが漂っていました。しかし、私たちとの対話を通じて、「地域で最も働きやすい介護事業所」というビジョンを掲げることにしました。
このビジョンを実現するために、具体的な施策を次々と打ち出しました。柔軟なシフト制度、キャリアアップ支援、メンタルヘルスケアの充実、地域との連携イベントなど、従業員が誇りを持って働ける環境づくりに取り組みました。すると、既存の従業員の満足度が向上し、口コミで「あそこは良い職場らしい」という評判が広がり、応募者が増え始めました。
このような成果は、経営者一人の力では決して実現できません。「チームワークで協働する」という価値が不可欠です。新しい経営モデルの実行は、経営者、管理職、現場スタッフ、そして私たちのような外部支援者が一体となって、目標達成を目指すチームワークによって成し遂げられるのです。
信頼関係が挑戦を支える
革新的な挑戦には、必ずリスクや不確実性が伴います。だからこそ、その過程で信頼性を確立することが極めて重要です。
「誠実性を貫く」ことは、私たちem株式会社が最も大切にしている価値の一つです。変革の過程では、思い通りにいかないことや予期せぬ困難に直面することもあります。そのような時、私たちは常に正直で透明性のある姿勢を貫きます。「これは難しい」「もう少し時間が必要」といった率直なコミュニケーションが、長期的な信頼関係を育むのです。
ある製造業の企業では、新しい品質管理システムの導入に想定以上の時間がかかりました。私たちは、進捗の遅れを隠すのではなく、その理由と対策を経営者に詳しく説明しました。そして、当初の計画を修正し、より現実的なスケジュールを提案しました。この誠実な対応により、経営者との信頼関係はむしろ深まり、その後の支援もスムーズに進みました。
また、「共創力を磨く」ことも重要です。外部支援者が一方的に指導するのではなく、相互の強みを活かし、経営者と共に新たな価値を創造する。この共創の姿勢があるからこそ、外部の専門性と経営者の現場の知恵が融合した、最も効果的な経営モデルを構築できるのです。
革新性がもたらす長期的な企業価値
経営の安定化と強靭な組織づくり
理念に基づく革新的な経営モデルを構築した企業は、経営の安定性が飛躍的に向上します。なぜなら、かつて組織を揺るがしていた「曖昧さ」が解消されるからです。
ある物流会社の例を見てみましょう。この会社は、季節変動が大きく、繁忙期と閑散期で業務量が大きく異なるという課題を抱えていました。繁忙期には人手不足で従業員が疲弊し、閑散期には仕事がなく経営が圧迫されるという悪循環に陥っていました。
理念構築支援を通じて、この会社は「持続可能な成長」という理念を掲げ、経営モデルを刷新しました。具体的には、繁閑差を平準化するための新規事業の開発、柔軟な雇用形態の導入、業務の標準化と効率化などに取り組みました。その結果、季節変動の影響を受けにくい安定した経営基盤を確立できました。
これは、革新的な経営モデルが持続可能な企業文化を育成し、外部環境の変化にも強い強靭な組織を作ることを示しています。明確な理念に基づいて構築された新しい枠組みは、組織の羅針盤となり、どんな困難にも対応できる柔軟性と一貫性を両立させるのです。
人材が育ち、定着する組織へ
革新的な経営モデルのもう一つの大きな効果は、人材の定着と成長の促進です。従業員にとって、自分の成長が実感でき、挑戦の機会がある環境ほど魅力的なものはありません。
ある建設会社では、若手社員に明確なキャリアパスを示すことができず、多くの人材が数年で辞めていくという問題を抱えていました。理念に基づく新しい人事制度を導入した後、この会社では「技術者としての成長」と「マネジメント能力の開発」という二つのキャリアパスを明確に示すようになりました。
さらに、定期的なスキル評価と目標設定の面談を実施し、各従業員の成長を可視化しました。若手社員は、自分が今どのレベルにいて、次にどんなスキルを身につければ昇進できるのかが明確に分かるようになりました。その結果、離職率は大幅に低下し、従業員のスキルレベルも向上しました。
これは、新しい経営モデルが「働く人々のやりがいを高める」ことに成功した事例です。人の管理や教育も、革新的なモデルに基づいて体系的に行われるため、経営者の感覚や気分に左右されることなく、一貫性のある人材育成が可能になります。従業員は安心して長く働き続けることができ、組織は着実に成長していくのです。
潜在的価値を引き出し、経済全体に貢献する
私たちem株式会社が支援する個々の中小企業が、既存の枠組みを打ち破り、革新的な経営モデルを構築することは、単にその企業の成長だけにとどまりません。それは、日本経済全体の活性化にもつながる重要な意義を持っています。
日本の中小企業は、全企業数の99.7%を占め、従業員数では全体の約70%を雇用しています。つまり、中小企業の活性化こそが、日本経済の持続的な成長の鍵なのです。しかし、多くの中小企業が既存の枠組みに縛られ、その潜在的な価値を十分に発揮できていません。
私たちが支援した企業の多くは、理念構築を通じて自社の強みや存在意義を再認識し、新たな成長の道筋を見出しています。ある地方の食品加工会社は、理念の明確化を通じて「地域の食文化を守り、伝える」という使命を再認識しました。そして、これまで埋もれていた地域の伝統食材を活用した新商品を開発し、全国展開に成功しました。
このように、一つ一つの企業が潜在的な価値を最大限に引き出すことで、雇用が生まれ、地域経済が活性化し、それが日本経済全体の活性化につながっていきます。私たちem株式会社は、理念の可視化と習慣化を通じて、この大きな目的の達成に貢献していきたいと考えています。
今こそ、革新性で未来を切り拓く時
既存の枠組みにとらわれ続けることは、組織を停滞させ、やがては衰退させる最大のリスクです。「これまでのやり方で問題なかった」という考えは、実は最も危険な思考停止の状態なのです。
市場環境は常に変化しています。顧客のニーズも、働く人々の価値観も、社会の期待も、刻一刻と変わっています。その変化に対応するためには、理念という明確な軸を持ち、その理念に基づいて経営モデルを常にアップデートしていく「革新性で挑戦する」姿勢が不可欠です。
革新性とは、決して奇抜なアイデアや冒険的な事業展開を意味するのではありません。それは、組織の本質的な課題を見極め、理念に基づいて経営システムを再構築し、持続可能な成長を実現する戦略的な取り組みです。
私たちem株式会社は、中小企業の理念構築支援を専門としています。「思いはあるが上手くかたちにできていない」という経営者の皆様に寄り添い、その思いを明確な理念へと昇華させ、具体的な経営モデルとして実装するお手伝いをしています。
特に、従業員30名以下の企業は、経営者の決断が直接組織全体に影響する規模です。だからこそ、今この瞬間に理念を明確にし、革新的な経営モデルへの転換に着手することが、将来の持続的な成長を左右します。
既存の枠組みを打ち破ることは、決して容易ではありません。しかし、その挑戦こそが、貴社の潜在的な価値を最大限に引き出し、持続可能な未来を切り拓くための最も確実な道なのです。
私たちと共に、探究心で組織の本質的な課題を掘り下げ、好奇心をもって新しい知見を取り入れながら、既存の枠組みにとらわれない新しい経営モデルの構築に挑戦しませんか。その一歩が、貴社の未来を大きく変える転換点となるはずです。
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em株式会社(イーエムカブシキガイシャ)
代表取締役 郷司 光
経営理念:そうぞうの力で未来を描く
Purpose:中小企業の魅力を引き出し国力を上げる
Vision:革新的な日本型経営モデルの確立
Mission:思いを形にし理想の企業文化を創造
所在地:〒486-0817 愛知県春日井市東野町3丁目29番地7
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お問い合わせ:https://em-company.jp
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DX化・WEB集客サポート
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理念策定フレームワーク作成支援
理念経営実行ツール作成・導入支援
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