本質を見抜く探究心が、組織の課題を根本から解決する理由

経営者の皆様であれば、このようなお悩みを持ったことはありませんか?

「売上が伸び悩んでいる」「社員が定着しない」「プロジェクトが頻繁に遅延する」――このような経営課題に直面すると、ついつい目の前の問題に対処しようとしてしまいます。新しいツールを導入したり、一時的なインセンティブを与えたり、といった対症療法です。

しかし、このような場当たり的な対応では、問題は何度も繰り返し発生します。本当に必要なのは、その課題が生じている「本当の原因」を見つけ出し、根本から解決することです。

私たちem株式会社が理念構築支援の中で最も大切にしている専門性が、「探究心で掘り下げる」という考え方です。今回のブログ記事では、なぜ探究心が組織の課題解決に不可欠なのか、そしてそれがどのような具体的な成果をもたらすのかについて、詳しく解説していきます。

なぜ表面的な問題は何度も繰り返されるのか

「見える問題」と「本当の問題」は異なる

組織が抱える課題には、二つのレベルがあります。一つは「表面的な問題」、もう一つは「本質的な問題」です。

例えば、「新入社員が3ヶ月で退職してしまう」という課題があるとします。表面的には「教育体制が不十分だから」「職場環境が悪いから」と判断されるかもしれません。そこで人事部は研修プログラムを強化したり、オフィス環境を改善したりします。

しかし、しばらくすると同じことが繰り返されます。なぜでしょうか?

実は、退職の本当の原因は別のところにあるかもしれません。例えば「会社の経営方針が明確でなく、社員が自分の仕事の意義を感じられない」といった、より深い問題が隠れている可能性があります。

組織内の「解釈のズレ」が生む問題

組織が成長するにつれて、別の問題が浮上することがあります。それが「解釈のズレ」です。

経営者の頭の中には一貫した経営方針があります。しかし、それが明確に言語化され、組織全体に周知されていなければどうなるでしょうか。

同じ指示でも、Aさんはこう解釈し、Bさんはこう解釈する。経営者は「こんなことは当たり前」と思っていることが、実は社員には全く伝わっていない。こうした食い違いが積み重なると、組織全体に一貫性がなくなり、経営が不安定になってしまいます。

これが「人の管理が上手くいかない」「社員の育成がうまくいかない」という表面的な問題として表れるのです。

なぜ根本解決が必要なのか

対症療法では、同じ問題が何度も何度も発生します。その理由は、本当の原因が解決されていないからです。

根本的な解決とは、その問題を引き起こしている「組織の軸」「経営の基準」を明確にすることです。具体的には、以下のような要素を整理することになります。

「私たちの会社は何のために存在しているのか?」「私たちが大切にしている価値観は何か?」「社員に求める行動基準は何か?」

これらが明確に定義されていれば、表面的な問題が発生した時にも、経営者と社員が同じ基準で判断し、対応することができます。

「探究心で掘り下げる」とは、何か

定義:本質を見つけ出す専門的アプローチ

「探究心で掘り下げる」とは、組織の根幹にある信念や価値観、構造的な課題を見つけ出す専門的なアプローチです。表面的な症状ではなく、その奥にある「本当の原因」を徹底的に追求し、明らかにするプロセスです。

具体的には、以下のような問いを経営者と共に深掘りしていきます。

「この会社を立ち上げた時、あなたは何を思っていたのですか?」「現在の事業を通じて、社会にどのような価値を提供したいですか?」「社員に何を期待していますか?」「5年後、10年後、この会社はどのような組織になっていたいですか?」

これらの問いに向き合うことで、経営者の深い「思い」が言語化されます。この思いこそが、組織の軸となり、すべての判断基準となるべき「理念」の源となるのです。

具体例:営業成績が伸びない企業の場合

ある企業では、営業成績が伸び悩んでいました。経営者は「営業担当者のモチベーションが低いからだ」と考え、成果主義の報酬体制を導入しました。

しかし、半年経ってもほとんど改善されません。むしろ、営業担当者の離職率が上がってしまいました。

ここで「探究心で掘り下げる」というアプローチを導入し、経営者と深く対話してみると、以下のような本質的な課題が見えてきました。

「実は、この会社の事業内容や商品の特徴が、営業チームに十分に理解されていない」「営業担当者は、自分たちが何を売っているのか、顧客にどのような価値を提供するのかを明確に認識していない」

つまり、営業担当者が顧客に対して自信を持って提案できないから、成績が伸びていなかったのです。成果主義の報酬体制では、この根本的な問題は解決されません。

むしろ必要だったのは、営業チーム全体で「この商品の本当の価値は何か」「顧客にとってなぜ必要か」を徹底的に議論し、共有することでした。

探究の過程で明らかになる三つの問題

組織の課題を掘り下げていくと、通常、以下の三つの本質的な問題が浮かび上がります。

1. 理念や目的の不在

「この会社は何のために存在するのか」という根本的な問いに対して、経営者ですら明確な答えを持っていないケースがあります。利益を上げることは目的ではなく、その先にある「社会への貢献」「顧客への価値提供」という目的があるはずです。この目的が不明確だと、社員のモチベーションは上がりません。

2. 経営者の深い思いが未言語化

経営者の心の中には、強い信念や思いがあります。しかし、それが組織全体に伝わっていなければ、社員は経営者の真の意図を理解できません。これが「解釈のズレ」を生み出す最大の原因です。

3. 行動基準の曖昧さ

社員が判断に迷う場面で、「どう行動すべきか」の基準が明確でないと、個人の判断に任せられてしまい、組織全体の一貫性が失われます。

これら三つの問題は、探究心を持って経営者と対話することで、初めて明らかになるのです。

探究心が組織にもたらす四つの変化

1. 経営の軸が明確になる

探究の過程を通じて、経営者の思いが言語化され、組織全体で共有される理念が確立されます。この理念こそが、すべての経営判断の基準となる「軸」です。

軸が明確になると、どのような効果が生まれるでしょうか。

社員は、毎日の業務の中で判断に迷う場面に直面します。「この案件を受けるべきか」「このプロジェクトを優先すべきか」といった判断です。理念という軸があれば、これらの判断は一貫性を持つようになります。

また、新しいプロジェクトや新しい事業展開を考える際にも、理念を基準として判断することで、会社全体がブレない方向に進むことができます。

2. 社員のやりがいが高まる

人間は、自分の仕事に意義を感じた時に、最高のパフォーマンスを発揮します。

理念が明確になることで、社員は「自分たちは何のために働いているのか」「自分たちの仕事は社会にどのような価値をもたらすのか」を理解できるようになります。

すると、単なる「給料をもらうための仕事」ではなく、「社会に貢献する意義のある仕事」として捉えられるようになります。これが、社員のやりがいを大きく高める要因となるのです。

実際に、理念構築を進めた企業では、社員の定着率が向上したり、業務への積極性が高まったりという変化が報告されています。

3. コミュニケーションが改善される

理念が明確に定義され、社員全体で共有されることで、経営者と社員の間のコミュニケーションギャップが大きく改善されます。

これまで「なぜそんなことをするのか」と思っていた経営方針も、理念を通じて理解できるようになります。逆に、社員の行動や提案の背景にある思いも、経営者がより理解しやすくなります。

こうしたコミュニケーションの質の向上は、組織全体の一体感を生み出し、より強い組織文化を醸成していきます。

4. 持続可能な組織へと進化する

根本的な課題が解決されることで、同じ問題が何度も繰り返されるという悪循環から脱出できます。

これにより、経営者は新しい課題や新しい機会に対して、より創造的にエネルギーを注ぐことができるようになります。組織も、安定した基盤の上で、継続的に成長・発展していくことが可能になるのです。

30名以下の中小企業こそ、探究心が必要な理由

中小企業が直面する特有の課題

30名以下の中小企業では、経営者と社員の距離が近いため、「言わなくても分かるだろう」という暗黙的なコミュニケーションに頼りがちです。

組織が小さいうちは、これでも何とか上手くいくかもしれません。しかし、組織が少しずつ成長するにつれて、この暗黙的なコミュニケーションでは不十分になっていきます。

新しく入社した社員は、経営者の思いを自動的には理解できません。また、既存社員でも、組織が大きくなることで、経営者との接触機会が減り、経営方針が正確に伝わりにくくなります。

これが、組織の成長段階において、多くの中小企業が経験する「組織文化の希薄化」という問題です。

成長を阻む要因としての理念不足

中小企業の経営者の多くは、強い信念と熱い思いを持って事業を立ち上げています。しかし、その思いが明確に言語化されていなければ、組織全体に浸透させることはできません。

「社長が何を考えているのか分からない」「なぜこんな判断をするのか理解できない」という社員の戸惑いが蓄積すると、やがて組織全体のモチベーションが低下してしまいます。

これが、せっかくの成長機会を逃してしまう中小企業が多い理由の一つです。

探究心によるポテンシャルの最大化

中小企業には、大企業にはない強みがあります。経営者の意思決定が迅速であること、顧客に密接した事業展開ができることなど、様々な優位性があります。

しかし、これらの強みを十分に発揮するためには、組織全体がその強みを認識し、活用する必要があります。

探究心を持って経営者の思いを言語化し、理念として組織に浸透させることで、中小企業が本来持っているポテンシャルを最大限に引き出すことができるのです。

探究心を実践するための具体的なステップ

ステップ1:経営者自身の思いに向き合う

まず必要なのは、経営者自身が「なぜこの事業を始めたのか」「何を実現したいのか」という根本的な問いに向き合うことです。

この過程では、一人で考えるのではなく、信頼できるパートナーや専門家と対話することが有効です。対話を通じることで、自分の思いが整理され、言語化されていくからです。

ステップ2:理念を言語化する

経営者の思いが明確になったら、それを理念として言語化します。

重要なのは「誰にでも分かる言葉」で表現することです。難しい表現や曖昧な表現では、社員に正確に伝わりません。シンプルで、かつ経営者の真の思いを反映した表現が求められます。

ステップ3:組織全体で共有する

理念が完成したら、それを組織全体で共有します。このプロセスでは、経営者が理念の背景にある思いや経緯を社員に説明することが重要です。

一方的に理念を押し付けるのではなく、社員との対話を通じて、理念への理解と共感を深めていくことが大切です。

ステップ4:行動基準へと落とし込む

理念が社員に理解されたら、それを日々の行動基準へと落とし込みます。

「この理念の下では、こういう時にはどう判断すべきか」「こうした場面では、どのような行動が期待されるのか」といった具体的なガイドラインを作成することが有効です。

最後に:本質を見抜く力が、組織の未来を変える

経営者の皆様の中には「思いはあるが、上手くかたちにできていない」という感覚を持っている方も多いのではないでしょうか。

その感覚は、あなたの組織にとって、極めて重要な警告信号です。それは「理念という軸を明確にする必要がある」というメッセージなのです。

探究心を持って自社の本質と向き合い、理念を言語化し、組織全体で共有することで、あなたの会社は大きく変わります。

曖昧な経営方針から脱却し、社員全体が同じ軸で判断できる組織へ。潜在的な価値を最大限に引き出し、持続可能な成長を実現する組織へ。

この変化は、30名以下の中小企業だからこそ、実現できるものです。大企業よりも、素早く、根本的に組織文化を変えることができるのは、むしろ中小企業の優位性なのです。

em株式会社では、経営者の皆様の思いに真摯に向き合い、理念構築を通じた組織変革を支援しています。

「この会社をどのような組織にしたいのか」「社員にどのような価値を提供したいのか」といった、深い問いに一緒に取り組みませんか。

探究心を持った対話を通じて、あなたの会社の本質を見抜き、その可能性を最大限に引き出すお手伝いをいたします。


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em株式会社(イーエムカブシキガイシャ)
代表取締役 郷司 光

経営理念:そうぞうの力で未来を描く
Purpose:中小企業の魅力を引き出し国力を上げる
Vision:革新的な日本型経営モデルの確立
Mission:思いを形にし理想の企業文化を創造

所在地:〒486-0817 愛知県春日井市東野町3丁目29番地7

Webサイト:https://em.80462.co.jp
お問い合わせ:https://em-company.jp

事業内容:

DX化・WEB集客サポート
企業理念浸透支援
理念策定フレームワーク作成支援
理念経営実行ツール作成・導入支援

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